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さがみはら中央区 人物風土記

公開日:2012.02.02

相模原市民ギャラリーで展示「オマモリ」を開催
小野 さおりさん
南区上鶴間本町在住 30歳

日々の当たり前を大切に



 ○…「何を信じて生きれば良いかわからなくなった。ゆるぎないもの、守ってくれるもの=オマモリが必要だと思った」。震災後に描かれた作品には、人の顔が多く登場する。それは彼女なりのオマモリの形。故郷・福島で人は人によって救われ、守られることを実感し、自身の中で感じる神様のような存在と重なった。「ただただみんなの幸せをピュアに祈りたい」と微笑む。



 ○…上手にアニメを描く姉に憧れた幼少期、美術教師を務める遠縁のアトリエで油絵の匂いを嗅ぐのが好きだった。高校生から本格的に学び始め、美大へ進学。大学時代はバイトもせず絵に集中するものの、卒業制作は不完全燃焼。新たな表現を求めた院でも絵以外は考えず学校と家を往復する日々を過ごす。「振り返ればすごく貴重な時間。今も自分を奮い立たせてくれる」。



 ○…30歳の節目の年、だめなら絵を離れようと若手の登竜門と呼ばれるコンテストへ出品。見事グランプリに輝く。「絵を描くべきと言われた気がした」。作家への道は当たり前に歩み出したが、続ける先に待っていたのは孤独との戦い。表現に迷う「暗黒の時(笑)」は約6年続いた。しかし周囲に理解者がいると気付き、感謝やありがたさが分かると作品が変化。「自分のままで良いって自由になれました」。等身大の作品が多くの人の胸を打った。



 ○…深いブルーを基調とした作品は、不思議な安らぎと落ち着きで観るものを包み込む。描くことは社会とのコミュニケーション、絵は自分を表現できる媒体。「生きること=絵を描くこと。感謝をしながら大切に生きていれば、きっと良い絵も描けるのでは」。自分を支えてくれる人の存在や絵を描けることなど、当たり前を大切にしたい。「描けること自体、私にとってオマモリのようなもの」。強くて優しい瞳はみんなを見守っているようだ。

 

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