年齢別で競う水泳の「新春マスターズスイムミート2017」(短水路)が2月4日と5日、千葉県国際総合水泳場で開かれ、80歳―84歳区分の200m個人メドレーに出場した遠藤在住の下野育朗さん(79)が、3分16秒26で世界新記録を樹立した。世界記録を6秒更新する快挙を成し遂げた。
三重県で生まれ育った下野さんは、近所の川や海で遊ぶ中で自然と泳ぎを覚え、得意になったという。高校で水泳部に所属し、インターハイや国体などに出場。卒業後は泳ぐ機会はなかったが、定年を迎えた61歳で「何か夢中になれるものを見つけたい」と、趣味として水泳を再開した。
根がまじめな性格で、始めたらとことんやるタイプ。泳ぐだけでは飽き足らず、数年後に大会へ参加するようになった。1人で4種目を泳ぐ個人メドレーは、仲間に勧められ70歳で挑戦。初めてエントリーした大会で、当時の日本記録に迫る好タイムが出ると、「これはいける。違う種目を泳ぐのは面白いし、レース展開が変わるのも刺激になる」と練習に一層力を入れた。その後、日本記録を樹立。これまで泳ぐたびに自己記録を更新してきた。
昨年10月の大会では、75歳―79歳区分だったが3分14秒の世界記録のタイムで泳いでいた下野さん。区分が変わった今大会は、自身初となる世界記録更新を狙って出場。「普通に泳げば記録が出るだろう」と落ち着いてレースに挑めたという。「60歳から初めて約20年。やっと世界記録に届いた」と喜びを表した。
年齢にあらがって
今年80歳を迎える下野さんだが、練習は週に5、6日、1日2〜3000mを泳ぐ。自宅でもストレッチや筋トレを欠かさず、通っている整骨院の院長から歩く姿勢や身体の使い方などを教わり、日々身体のトレーニングを意識している。「年齢を重ねるごとに体力は落ちていく。それにどうあらがっていくかが課題」と語る。記録を樹立しても意欲は衰えず、4月には400mの個人メドレーに出場を予定。「得意の自由形や背泳ぎにも出場し世界記録を狙う」と複数の世界記録樹立を目指している。
藤沢版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|