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鶴見区 人物風土記

公開日:2016.10.13

創立80周年を迎えた白鵬女子高等学校理事長を務める
嵯峨 実允さん
北寺尾在勤 53歳

生徒の「楽しい」追及

 ○…1936年に創立した白鵬女子高等学校が、今年80周年となった。「80年目の節目を無事迎えられて良かった」。少子化などの影響から、一時は経営難に陥っていた同校。再建を託され、2008年に理事長に就任した。校舎のリニューアルなど、改革を推し進めてきた結果、400人弱まで落ち込んでいた生徒数を千人以上にまで回復させた。「予想以上に生徒が集まってくれた。これからもやりたいことがいっぱい」。学校経営の手腕が光るのはこれからだ。

 ○…一度は民間企業に就職したが、都内の学校を経営していた父に誘われ、30歳で現在の業界へ。44歳で白鵬の救済を引き受けた。当初から勝算はあった。「校舎はボロボロだったが、緑の多いグラウンドは魅力。生徒募集の方法などを変えれば、生徒は取り戻せると感じた」と振り返る。改革のポイントは今時の子が興味を持ち楽しいと思ってもらえるか。老朽化した校内には、大型テレビやボードゲームを楽しめる食堂を設置。玄関にはカラフルな時計を付けるなど細部にもこだわった。「普通の学校では排除してしまうものでも、新しいことに踏み出したい」。常識にとらわれない発想が強みだ。

 ○…明治天皇ともゆかりのある公家「嵯峨」家の生まれ。2人の姉がおり、「女の子が何が好きなのかは、何となくわかる」と笑う。女性誌も読み、最新の流行をチェック。プライベートの海外旅行でも、姉妹校候補の可能性を感じれば即提携に乗り出すなど、アンテナの高さと行動力が学校運営に活きている。

 ○…これまでの努力もあり活気づく学校に、地域住民も温かい視線を送る。「大会で運動部も成績を残してきており、生徒の活躍を楽しみにしていると声をかけてもらえるようになった」。安心安全で楽しく通える学校が理想像。「これからの10年でさらに新しい白鵬を見てもらえたら」。次なる躍進に目が離せない。

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