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中原区 スポーツ

公開日:2026.06.11

【野球人・三浦大輔さんに聞く】 「自分らしく、格好よく」❝未病番長❞の心身調律術

  • 「自分らしく、格好よく」

  • 「自分らしく、格好よく」

 三浦大輔さん(53)

プロフィール:横浜DeNAベイスターズの投手として25年間、監督も5年務め、2024年に日本シリーズ優勝。退任後、同チームのアンバサダーに就任。愛称は「ハマの番長」

 横浜DeNAベイスターズの象徴として、25年間の現役生活と5年間の監督職を走り抜いた三浦大輔さん。神奈川県の「未病番長」に任命されるなど、心身のバランス維持を実践してきた。50代を迎え、新たなステージに立った今、本紙が企画した「QOL(生活の質)」を高める方法を聞いた。「自分らしく、恰好よく」生きる秘訣とは―。

■22歳で気づいた「体は資本」という原点

――プロ野球という厳しい世界で長年第一線を走ってこられました。健康面には特に気を遣われたのではないですか?

三浦大輔さん(以下、三浦)「実は、大きな転機はプロ3年目、21か22歳の頃でした。肝機能障害で体調を崩してしまったんです。ベッドの上で試合中継を見ているのが、負けた時よりも何倍も悔しくて。『戦いの場に立てない』ことの辛さを痛感し、そこからですね、本気で健康面を意識し始めたのは」

――具体的にはどのような工夫を?

三浦「やはり食事ですね。制限というよりは『体に良いものを取り入れる』というスタンスです。シジミを食べたり、くま笹茶が良いと聞けば試してみたり。バランスを整えることで、自分の体の小さな変化に気づけるようになりました。毎日同じトレーニングをしていても、『きょうは腰が張っているな』という違和感にいち早く気づける。その『気づき』が大きなけがを防ぎ、長く現役を続けられた要因だと思います」

■「自分にコントロールできること」にだけ集中する

――精神面でのタフさも三浦さんの魅力です。プレッシャーと戦う中で、メンタルをどう保っていたのですか?

三浦「若い頃は『とにかくバッターを打ち取りたい。相手チームの打線を抑えたい』という気持ちが強すぎて、空回りすることもありました。そんなとき、プロゴルファーの片山晋呉さんに紹介されたメンタルトレーニングの本に救われたんです。そこには『マウンド上では、自分でコントロールできることに集中しなさい』と書いてありました」

――「コントロールできること」とは?

三浦「結果や周囲の反応は自分では操作できません。だから、ピンチのときこそ一度ピッチャーマウンドから降り、頭の中を冷静に整理するんです。このルーティンの積み重ねが、集中力を生んでくれました」

――監督時代は、選手時代とはまた違う苦労があったのではないでしょうか。

三浦「圧倒的に監督時代の方がしんどかったですね(笑)。選手は自分の結果を追求すればいいですが、監督はチーム全体のマネジメント。自分一人で考え込まず、コーチやスタッフに意見を聞き、アイデアをもらうことを大切にしていました。最終的な決断は自分ですが、周りに頼る勇気を持つことで、視野を広げていました」

■幸福度を高めるのは「大切な人との時間」と「憧れ」

――三浦さんにとって、最高のリフレッシュ方法を教えてください。

三浦「休日に家族と買い物に行ったり、愛犬と過ごしたり。野球から完全に離れる時間が、巡り巡って良い結果につながりました。また、自分は一人でいるのが苦手なタイプで(笑)。誰かと食事をしながら会話を楽しむことが、何よりの元気の源。コロナ禍の『黙食』は本当に味気なかった。人と触れ合うことが、自分の健康法かもしれません」

――50代という世代をどう捉えていますか?還暦を迎える一歩前、新たな道へ進む同世代へメッセージをお願いします。

三浦「年齢なんて、ただの『年号』みたいなものです。止めることはできないんだから、気にしても仕方ない。50代には50代の良さがある。現在53歳ですが、7年後の60歳にはその良さが絶対にあるはず」

「自分の基準は、常に『格好いい大人であるかどうか』。憧れの矢沢永吉さんのように、いくつになっても『いまの自分が一番格好いい』と思える年の取り方をしたいですよね。20代の体力と比べるのではなく、いまの体力で今を精一杯楽しめばいい」

■原点回帰、そして未来へ

――今後の目標をお聞かせください。

三浦「いまは肩の荷が下りて、自由にやらせてもらっています(笑)。これからは、野球の楽しさを広める活動を続けながら、原点である草野球をやりたいですね。昨年12月に結成した『リーゼントスターズ』を楽しみながらやってます。子どもの頃、日が暮れてボールが見えなくなるまで夢中で遊んだあの感覚。息子たちも交えて、ワイワイと野球を楽しめたら最高です」

【編集後記】「練習は大嫌い、でも試合は大好き。勝ちたいから嫌いな練習もできた」と笑う三浦さん。その素直さと、自分を客観視する冷静さが、彼のQOLを支えています。「格好いい大人」への階段を登り続ける彼の背中は、世代を問わず多くの勇気を与えてくれます。

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