8月10日から公開の映画「江ノ島プリズム」を手掛けた制作プロデューサーの 三木 和史さん 片瀬海岸在住 57歳
作品は自分の存在証明
○…潮風吹く片瀬海岸、緩やかに走る江ノ電―。江の島周辺を舞台とした映画「江ノ島プリズム」のプロデューサーを務めた。「大手シネコンでの上映も決まり、正直不安は大きい」と漏らす。一方「キャストにも恵まれ、江の島の魅力を引き出したいい作品が撮れた」と自信ものぞかせる。
○…藤沢に移って来たのは約4年前。自宅の窓から見た、江の島が夕日に染まる光景に魅せられて、この場所を舞台にした映画を撮ろうと決めた。「江の島らしい映像や見せ方」にこだわり、撮影タイミングの難しさを覚悟の上で江ノ電を使うなど、あえて苦労も背負い込んだ。「電車のダイヤは変えられないし、ホームに入れるスタッフ数には制限がある。それでも、やはりこの舞台には江ノ電を入れたかった」と力を込めて語った。
○…兵庫県淡路島生まれ。あまり親の言うことを聞かず、釣りをしたり泳いだりと奔放な子どもだったという。広告代理店で社会人のスタートを切り、コピーライターやプランナーなど、制作に関わる様々な業務を経験。最も影響を受けた作品には、「七人の侍」と「ゴッドファーザー」を挙げ、独立後は主に映画プロデュースに携わってきた。「特別に志したわけではなく、『面白いことをしたい』と思って、ただ没頭してきた結果」と、自然体だ。しかしプロデューサーの仕事には「作品すべてに関わり、起点となる存在で一番面白い」と情熱を見せる。
○…常時複数の企画や制作予定を抱え、多忙な毎日を送る。「一番の趣味は仕事。好きだから映画を作っている」と楽しげだ。休みが取れたら、温泉でゆっくり作品の構想を練りたいと笑う。あくまでも映画への想いを熱弁し、「小さくとも、手がけた作品は自分の存在証明で、生きている値打ち」と、真剣な台詞と眼差しで結んだ。
|
<PR>