新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の緊急事態宣言が、4月7日に発令された。鎌倉市は観光客の流入を抑制するため、近隣自治体と連携して公営駐車場の閉鎖を実施。民間事業者にも協力を呼びかける。また県の休業要請により小町通りなど人気スポットも多くの店が休業を決めたこともあって、週末も人影はまばらだった。
緊急事態宣言後、初めての週末となった4月11日と12日。普段なら多くの人でにぎわう鶴岡八幡宮や小町通りにもほとんど人の姿はなかった。
市は他地域から観光に訪れる人をさらに減らそうと横須賀市、逗子市、葉山町と連携し、4月11
日から5月6日までを期間として公営駐車場の利用制限を打ち出した。
市役所休日有料駐車場(65台)や材木座(63台)、稲村が崎(51台)を閉鎖したほか、民間でも鎌倉プリンスホテルが七里ヶ浜海岸駐車場(343台)を閉鎖。市は今後、コインパーキング事業者などに対しても協力を求めていくとする。
ただ、こうした措置にも関わらず、週末には国道134号などが渋滞する時間帯も見られた。坂ノ下に住む50代の女性は「東京など他県ナンバーの車を多く見かけた」と不安を口にする。
寺社も感染防止策
市内の寺社も感染防止のため、拝観時間の短縮や御朱印の配布を中止するなどの対策をとっている(左表)。
長谷寺は3月30日から境内内の観音ミュージアムを閉館中。円覚寺では毎年ゴールデンウィークの3日間行ってきた国宝・舎利殿の特別公開の中止を決めた。
建長寺も多くの行事・イベントを中止にしている。同寺を会場に2005年から行われてきた「親と子の土曜朗読会」は、5月30日で800回を迎える予定だったが、3月から休止中。
再開は早くても夏以降の予定で、主催者は「記念のイベントなども予定していたので残念。事態が収束し、秋に改めて節目を迎えられるように準備したい」と話す。
豊島屋も休業
事業者も相次いで休業を決めた。
「鳩サブレー」で知られる豊島屋は4月8日から、「緊急事態宣言が解除されるまでを予定」として、本店などほぼ全ての直営店を全日休業とした(パンの製造・販売を行い市民利用の多い鎌倉駅前扉店のみ、平日午前10時から午後6時まで営業)。多くの社員が自宅待機となっている。
久保田陽彦社長は「売り上げがないことは苦しいが、社員の安全を重視して決断した。一刻も早く事態を収束させるためにも、力を合わせて頑張りたい」と話した。
また「クルミッ子」が人気の鎌倉紅谷は、八幡宮前本店、雪ノ下店、長谷店、常盤店などの市内店舗を「当面の間」臨時休業としている。
(4月15日起稿)
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