一時は絶滅したとされていた地域系種「藤沢メダカ」が鑑賞できる「メダカ池」が、藤沢市役所分庁舎の再整備に伴って2019年12月末をめどに完成する。設置場所は現在閉鎖されている分庁舎(旧新館)の西側。全長5mほどのひょうたんの形をした池が造成される。
市は事業費約38億円をかけ、建物の改修を始め、外には池や藤棚などを整備する方針。池は今年9月に着工予定で、19年12月末の完成を目指す。大きさは全長5m、幅約1m、面積約5平方メートル。勾配もつけ、周囲に植物を植えるなど動植物が生活しやすい「ビオ・トープ」のような空間を再現する。
藤沢メダカの保全活動に取り組む「藤沢メダカの学校をつくる会」によると、全国的にメダカの数は減少傾向にある。小川などゆるやかな流れの場所が減り、田んぼでは農薬が使用されていることなどが理由で、県内では野生で確認されている地域系種は小田原メダカのみという。
藤沢メダカは、境川流域に生息するメダカの子孫で、一時は絶滅したと考えられていた。しかし20年ほど前、県職員がはす池(鵠沼藤が谷)で採取された個人宅のメダカを発見。種を後世に残そうと学校関係者を中心に96年に同会が発足し、22年にわたって、活動してきた。
100円募金スタート
13年から東京海洋大学が遺伝子の研究をしながら放流を開始。14年からは同会会員を中心に第一はす池、16年からは第二はす池で放流活動を行っている。同会の菊池久登会長(64)によると、活動初期には3千匹だったが、今では3万匹ほどにまで増加したという。300人ほどの会員を中心に卵から成魚まで育て、毎年秋に放流する。
同会では池が設置されることに伴い「メダカ池100円募金」を始める。募金は1口100円で、20年の4月までを予定。募金箱の設置場所は会主催のイベントや活動に協力する団体に委託する。募金の使途は市と検討していくという。
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