「藤沢地名の会」の会長に就任した 佐々木 道雄さん 片瀬在住 72歳
地名探訪に魅せられて
○…藤沢、片瀬、鵠沼…。普段何気なく使っている「地名」は、ひも解くと歴史や地形、生活様式などを表す身近にある文化財。そんな藤沢の地名を通して歴史や地理、民俗、伝承などを学び合い、文化的価値を後世に伝える「藤沢地名の会」の会長に就任した。約１７０人の会員を率いる大役に「史跡探訪や古文書の読解など10の部会がある団体。役割分担をしっかりとしてこれからも安定的に運営していきたい」と話す。
○…入会したのは仕事を引退した61歳の時。長年東京方面に勤務していたため地元に目を向けようと「江の島道」という遊行寺付近から江の島に通じる道を歩く行事に参加した。歩いてみると、これまで住んでいても気付かなかった石仏や橋、道の名称など初めて知ることばかり。そこで出会った同会役員に声を掛けられ入会を決めた。「住んでいる地元を知ること、学びの継続、そして健康維持。自分がリタイア後に求めた３つの願いを叶えてくれたのが地名の会だった」
○…東京都杉並区の生まれ。学生時代は「理系科目や英語、地理の勉強は好きだったけど、歴史は苦手だったな」と苦笑いする。会に入り地域を歩いて巡り、歴史を身近に体感できるようになり「歴史は年号を覚える学問だと思っていたけど、長年のイメージを変えてくれたね」と朗らかな表情を見せる。
○…これまで国内外さまざま旅をした旅行好き。還暦を過ぎてから東京の日本橋から京都まで、東海道と中山道合わせて約１０００Kmの道を一人で歩いたり、会の仲間と松尾芭蕉の奥の細道に沿って旅をした経験もある。「リタイア後の生活を充実したものにしてくれた会に恩返しができれば」と意気込みを語った。
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