ひまわりを使った物作りに取り組む相武台南口商店会(戸津信義会長)の会員と地元の子どもたちが考案した飲料「ひまわりサイダー」がこのほど完成した。栗原の畑で獲れたひまわりや座間産の蜂蜜が材料で、ラベルは市民がデザインした。
同商店会では2006年から地元の子どもたちとひまわりの栽培に取り組んでいる。毎年、栗原の畑で種から栽培。会員有志が取りまとめながら、相武台東小学校の生徒と耕作、種植え、雑草取り、収穫と年間を通して活動している。
会員の松橋淳郎さんは種や花びらを有効活用できないかと、6年前から子どもたちにアンケートを実施。案に上がった「ひまわりガム」や「ひまわり鉛筆」などの実現に向け、子どもたちと結成した”相武台サンフラワー研究会”がひまわり研究を続けてきた。これまでにひまわりキャンディやひまわりパン、バイオディーゼル燃料の精製などに成功している。
例年、要望の多い「ひまわり飲料」を形にしようと昨年から製作に取り掛かった。葉をミキサーにかけコーヒーフィルターでろ過したり、製粉工場で粉状にした花びらをサイダーにブレンドしたりとさまざまな方法を試みるも、美味しくなかったり液体が変色するなど失敗が続いた。山形県の製粉工場や複数のサイダー工場へは、製作依頼に何度も足を運んだという。
試行錯誤の末、松橋さんは圧力釜を用いるテキーラ製法の活用を思い付き、種とパウダーを蒸してエキスを抽出。座間産の蜂蜜を配合し、サイダーとして完成させた。ひまわりの風味がほのかに香る甘口。子どもたちは「完成品を見た時に感動した!」と満面の笑顔を見せた。
瓶詰275ミリリットルで、ラベルデザインは市民が考案した。今回は200本を製造。販売は考えていないが、市内のイベントなどで今後活用する予定だという。
5月に市観光協会と同商店会では、昨年子どもたちが収穫した種を東日本大震災の被害を受けている福島県須賀川市へ持っていき、現地の畑で種植えを行った。6月16日に松橋さんは須賀川青年会議所を通して、種植えに参加した現地の子どもたちへひまわりサイダーを送っている。須賀川の畑では座間市の3倍以上におよぶ180万本のひまわりが8月にも満開になる予定で、松橋さんは「満開のひまわり畑でサイダーを乾杯してもらいたい。どんな状況でも希望と子どもたちの笑顔があれば、街は絶対に良くなる」と話している。
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