先月29日に行われた「全国高校野球選手権大会・東東京大会」の決勝戦で、名門・帝京高校との接戦を制し、11度目の挑戦にして初となる夏の甲子園出場を決めた二松学舎(にしょうがくしゃ)大学付属高校(東京都千代田区)。悲願達成の立役者の1人が、市内さがみ野出身の1年生ピッチャー・大江竜聖選手だ。
1971年の東京大会から、10度挑戦して乗り越えられなかった決勝戦。29日は、「11度目の正直」がかかった大一番だった。
今大会4試合1失点と好調の大江選手は、エース大黒一之選手(3年)に代わり、6回表に登板。1アウト2・3塁という厳しい状況だった。「堂々とマウンドに走っていく姿が印象的だった」と振り返るのは父・広志さん(52)。最初の打者にヒットを許して追加点を奪われたものの、そこで踏みとどまった。「昔から気持ちの強さは人の2、3倍あった。(ヒットを打たれ)大崩れしてもおかしくないのに、時折笑顔を見せて…。わが子ながら驚きました」と、息子の強心臓を称える。
そして1点リードで迎えた延長10回裏。大きな重圧がかかる場面を、打者3人できっちり抑え、初優勝を手繰り寄せた。
「父に感謝」
3人兄弟の末っ子として生まれた竜聖選手は幼稚園から野球を始めた。小学校3年生から6年生までは、広志さんが監督を務めたイーグルス座間に所属。南中学校時代は、硬式野球チーム「横浜ヤング侍」の一員として活躍した。二松学舎には、スカウトを受けて進学し、1年生ながら今大会でベンチ入りを果たした。
これまでの活躍を支えたのが広志さん、姉、兄の3人だった。小学4年の時に母親と離れて暮らすことになったが、野球に打ち込める環境を家族が整えた。試合後、報道陣の取材に対し「父親に感謝したい」とコメントした竜聖選手。それを聞いた広志さんは「普段は言わない。うれしくて涙が出ました」と目を細める。
全国大会はあす9日(土)から阪神甲子園球場で開催。二松学舎は13日(水)に、海星高校(長崎県)と初戦を行う。予選の活躍を考えれば、初戦での出番も期待される。広志さんは「怪我のないよう頑張ってほしい」とエールを送った。
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