座間市が今年3月に改定した耐震改修促進計画のなかで、国が定める性能を満たしていない家が、全体の約15%に上っていることが分かった。これらは、建築基準法が改正された1981年5月以前に建てられた住宅。市は診断・工事に対する助成制度を設けているものの、費用面から二の足を踏む人が多く、思うように耐震化が進んでいないのが現状だ。
費用面で断念する人も
同計画によると、市内の総戸数およそ6万1700戸に対して、法律改正前に建てられた住宅は約1万5000戸にのぼる。このうち新基準を満たしているのは6000戸ほどで、残り9000戸(=15%)は下回っている。住宅倒壊による死傷者が多数発生した阪神・淡路大震災(1995年)においても、改正前の建築物の65%弱が「中・小破」「大破以上」となっており、対策が急がれてきた。
耐震化を推進するため、市は改正前の木造住宅を対象に、診断については上限5万円、工事は諸条件を満たせば最大90万円を助成している。しかし補助額は費用の2分の1以内と定められており、補強工事を行った場合、100万円を超えるケースも多いため、自己負担額は低くない。該当住宅には高齢者が暮らしていることもあり、診断を受けても必要な金額を見て断念する人もいるという。市では2009年に同計画を策定し対策に取り組んできたものの、7年間での伸び率は3%に留まっている。「年金で生活しているという方も多い。建て替えは勿論、補強工事も難しいという声もある」と市建築住宅課の職員は頭を悩ませる。
防災意識向上も課題の1つ。東日本大震災の発災直後は、木造住宅無料耐震相談会に足を運ぶ人が急増したが、現在ではピーク時の3分の1程度(4〜5人)に留まるという。
「啓発に注力」
市では同計画において、住宅の耐震化率を2020年度までに95%に引き上げることを目標にしている。数値を達成するには、未耐震の住宅を3200戸以下に減らす必要がある。
その施策として補助制度のほか、ホームページや各種パンフレットを通じた啓発、相談会の開催、地元建築技術者と連携した行事参加などを打ち出している。これらは継続事業で、現段階では新たな試みは始まっていない。同課は「情報を発信し続けることが重要。何か新しいPR方法を模索したい」とコメントした。
座間版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|