観光庁が5月、NPOなどが被災地支援のために行う「ボランティアバス」について、旅行業法に違反する恐れがあるとして、是正を求める通知を都道府県に出した。これを受け、東北ボランティアツアーを8月に企画するざま災害ボランティアネットワークはこのほど、主催を民間会社に依頼し、予定通り催行する事を決めた。「震災から5年。支援を止める訳にいかない」と濱田政宏代表は話している。
ボランティアバスは、NPOや社会福祉協議会などがボランティアを募り、被災地に派遣する取り組み。東日本大震災や熊本地震の復興支援に貢献してきた。その一方、旅行業法の登録をしていない団体が参加を募り費用を徴収することは、同法に抵触する可能性があるとされてきた。
これまでは「黙認」の状態になっていたが、観光庁は一転、安全管理の観点などから、旅行業に登録するか、運営を登録業者に委託するよう求める通知を出した。突然の是正通知は、6月上旬の新聞報道で関係者の間に一気に広がり、主催者は形態見直しや中止・延期を迫られ、対応が間に合わずボランティアバスを止める団体も出ていた。
民間業者に依頼
同ツアーは2013年から開かれており、今年で4年目。13年から15年までは市社会福祉協議会の主催、災ボラの共催というかたち実施されてきた。今年は災ボラの主催、市社協の共催になる予定だった。
報道の段階で既に準備を進めていたという災ボラ。受け入れ先の「(一社)コミュニティスペースうみねこ」(宮城県女川町)とはかねてから支援を通じて交流を深めており、「中止」という選択肢は無かったという。「震災から5年が経った今もなお支援は必要。何が何でもやると決めた」と濱田代表は振り返る。
主催はバス運行会社として参画予定だった、平塚市の登録業者「神田交通(株)」に依頼した。災ボラは「企画協力」、市社協は「後援」という位置づけで携わる。民間会社に依頼した場合、一般的に参加費は高くなるが、今回は予定通り1万5千円で行うこととした。
日程は8月4日(木)から7日(日)。女川町での農作業支援、気仙沼市や大槌町での遺構見学などを予定している。対象は県央在住・在学の高校・大学生や保護者、社会人。詳細や申込み方法は災ボラHP(http://www.zsvn.net)で確認できる。
濱田代表は「いま一度被災地を見つめ直して欲しい。そして、自らがどのような防災に取り組むべきか考えてもらえれば」と呼びかけている。
座間版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|