任期満了に伴う座間市長選挙と座間市議会議員選挙が、9月23日(日)に投・開票される。タウンニュース座間編集室では、選挙に向けて、座間市の現状と課題を検証する連載を企画した。第1回のテーマは自治会。
▽市民で構成される自治会は「共生(=近隣相助)」の精神のもと、防犯や防災、環境美化、文化活動、地域情報伝達などの各種活動を展開している。市内には188の単位自治会があり、これらを13の「地区自治会連合会」(=地区自連)がまとめている。さらに、市全体の自治会を統括しているのが「座間市自治会総連合会」(=市自連)で、自治会の運営サポート、意見の集約、行政への提言などを担っている。
▽自治会の大きな課題となっているのが加入率の低下だ。座間市の世帯数は5万4955世帯で、会員は3万493世帯(7月1日時点)。およそ55・5%に留まっている。県央の自治体と比較すると、大和市70・7%、海老名市75・6%、綾瀬市79・43%と、低い加入率になる。一方で、相模原市の南区、中央区、緑区は50%後半。小田急線の沿線は、加入率が低い傾向にあることがうかがえる。
▽市の加入率の推移をみると、10年前の2003年度が63・8%。2009年度に60%を下回ると、ここ5年で5%下落した。市が低下の一因と分析するのが、単身者世帯の増加だ。市の人口は、ここ数年横ばいで推移している。一方で、世帯数は2007年度から2012年度で3千世帯ほど増加。賃貸のマンションやアパートに住む人が増え、世帯あたりの構成人数が減少している。単身者は、戸建てに住む人と比較すると、加入しにくいという。
▽こうした現状を受けて市自連でも、加入に力を入れている。転入者に対して重要なのが行政との連携だ。市では、転入者に対して、加入を促す資料や、自治会を紹介するカレンダーなどを配布している。また、3月と4月は、市自連と協力してキャンペーンを実施している。
▽単位自治会でも会員増加に向けて動いている。ひばりが丘5丁目自治会は今年6月、組合のメンバーでチームを作り、転居間もない人を対象に加入を促した。資料の配布と訪問を行い、約30世帯が新会員となった。同自治会の千葉満男会長は「チームで取り組んだことが加入につながった。転居してから時間が経つほど入ってもらいにくくなる。早めの声かけが大切だと思う」と話した。
▽188という単位自治会の多さも、課題の一つ。自治会によっては、会員数が10人を下回っているところもある。会員が少なければ当然、会長や副会長、会計などの役に就く機会が増える。1人1人の負担が多くなってしまうケースもあるという。会員数の少ない自治会が、多いところと合併するケースもあるもが、それぞれに事情や歴史があり、なかなか実現しないのが現状だ。
▽東日本大震災の発生後、防災や復興の過程において、地域の絆の重要性が見直されている。地域コミュニティの活性化と深化という点で考えると、自治会が担う役割、求められる期待も多い。加入率の低下は、社会環境の変化、街の歴史や地形的な条件、交通インフラなどが要因にあり、短期の改善は難しいかもしれない。単位自治会が魅力ある活動を行える環境を整えてソフト面の強化を図り、地域コミュニティの醸成に努めて欲しい。
座間版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|