市観光協会(星野勝司会長)が11月1日、ハーモニーホール座間で「伝統芸能鑑賞の集い」を開催した。年一回、同時期に行われてきた催しだが、今年舞台でスポットライトを浴びたのは地域の子どもたち。大人はサポート役に徹した。
和傘を手に、紫の着物に身を包んだ子どもたち。歌舞伎の名作「五人男」の登場人物に扮した少年少女が壇上に現れ、力いっぱい「見得」を切る。馴染みの薄いであろう独特の言い回しのセリフを、絞り出すように時々宙をにらみながらも懸命にこなしていく。合間には「よし!」「決まった!」と、大人たちから合いの手が入り、不思議な一体感が生まれた。
傘が思うように閉じないなど、時折小さなハプニングも。見守る会場からは暖かな笑いと声援が起こる。小さな失敗は「ご愛嬌」だ。
今回舞台に立ったのは、小中学生約40人。能に箏、三味線に歌舞伎。それぞれの「伝統芸能」に挑戦した。
それを支えたのは、地域で活動する「市謡曲連盟」「市三曲協会」「入谷歌舞伎会」、そして「津軽三味線貢綾会」の4つの文化団体だ。大半の団体は、今回の催しのために公募で参加者を募った。練習期間はおよそ2〜3カ月だった。
慣れない衣装に身をつつみ、時おり緊張を浮かべながらも懸命に成果を出し切った子どもたちの姿に、会場からは大きく温かい拍手が送られた。
星野会長は当紙の取材に対し「何とか、伝統的な演目を守り、育んでいきたいとの一心で企画した。今回大きなステージに立ったことで、頑張って練習に取り組んでいる子どもたちに少しでも励ましになっていれば嬉しい」と話した。
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