市消防と福祉関係者らが、高齢者の安全確保に向けて連携を強めている。救急と介護のプロが互いに知識を共有することで、火災や急病時により確実な安全確保に向けて備えたい考えだ。7年前に始まった取り組みは今、徐々に地域に広がりを見せている。
11月24日、市消防本部に介護事業者の関係者ら22人が集まった。この日行われたのは、施設における火災や急病などの緊急時を想定した講習会。市消防が講師を務め、介護に従事する従業員らが避難や初期消火、応急手当に挑戦した。
消防と福祉関係者の連携が始まったのは、今から約7年前。2008年6月に発生した、綾瀬市の障がい者グループホームでの火災発生受けてのことだった。深夜に発生したこの火災では、就寝中の入居者3人が死亡。施設にスプリンクラーはなく、管理人は不在だった。
「夜間などは、当直のスタッフも数名程度。身体の自由がきかない高齢者や障がい者を、いかに守ればいいだろう」――。同年11月には、消防と市の担当課が連携し、障がい者福祉施設を対象とした初の講習会を開催。2012年には介護施設の職員を対象とした講習会もスタートした。
一方で、消防職員が生徒役となることもあった。市介護保険課が救急隊らに認知症についての基礎知識を教えた。講座に参加した隊員は「認知症高齢者の方を搬送する際、安心して気持ちを落ち着かせてもらうためには、まず我々が相手の気持ちを知ることが必要」と語る。現在、救急搬送される人のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は65%を超え、その割合は今後も増加すると予想される。
「介護関係者と消防がお互いに知識を高めるだけでなく、顔の見える関係であることも良く作用している。超高齢化社会に向け、さらに消防と福祉関係者との連携を強めていきたい」と話していた。
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