年も明け、今年はいよいよ申年。猿は、古くから病や厄が「去る」とされ、日本人には縁起のいい存在として親しまれてきた動物だ。かつて、座間公園(座間1丁目)内でも飼育されていたという猿。いつの間にかその姿を消してしまった彼らの「その後」を追った。
キャンプ座間や座間神社に隣接する同園は、プールや広場などが整備されており、眺望もよく地元民にはおなじみの場所だという。うさぎや鹿などの動物も飼育されていたことから、小学生の遠足などにも活用されてきた。
以前、座間公園で飼育されている猿を見た人によると、猿が飼育されていたのは南北に長い同園のちょうど中間地点あたり。円錐形の檻の中に、ボス猿を中心に、7〜8匹の猿たちが暮らしていたという。
さらなる情報を求めていると、2000年のタウンニュース座間版に「座間公園の猿」の写真を発見。そこには、ロープに腰かけて宙を見つめる猿の姿がはっきりと映っている。少なくとも16年前までは、確かに飼育されていたようだ。
座間公園は一時閉鎖中
続いて、実際に猿が暮らしていた座間公園へと足を運ぶと、いきなり「通行止」の看板に行く手を阻まれた。掲示物によると、現在同園では整備工事が行われており、一時的にほぼ全域が立ち入り禁止に。工事は今年2月まで続けられ、新たな遊具などを入れてリニューアルするのだという。
惜しまれながら猿小屋は解体へ
公園を管理する市公園緑政課によると、猿小屋は猿がいなくなった後も残され、昨年まで手つかずの状態で残されていた。しかし、今回のリニューアルに伴い、小屋も惜しまれながら(?)解体された。小屋があった場所には新たにうさぎ小屋が設けられるという。
市の担当者は「記録で追える限りだと、少なくとも15年ほど前まで園内で猿を飼育していました。その後、何かしらの理由で手放すことになったんです」と語る。古い資料などは破棄されるため、その理由などはもはや定かでないそうだ。
市のベテラン職員によると、猿たちが引き取られた先は、静岡県南伊豆町にある「猿の楽園」こと「波勝(はがち)崎苑(ざきえん)」。300匹を超える猿たちが社会を形成する、東日本最大の野猿生息地だ。同苑の職員に話を聞くと、正式記録には残っていないが、行政から猿を受け入れるのは極めて異例だという。
同苑によると、野生の猿社会はとても厳しく、中でもよそ者はボス猿からの洗礼を受けることもしばしば。「最初を越えられれば、群れの一員として行動できるんですが…」。職員も多くは語らなかったが、猿の平均寿命は約30年。座間から100Km離れた海沿いの楽園のどこかで、今も元気に暮らしているのかもしれない。
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