東日本大震災の発災5年に合わせ、関東・東北1170Kmを17日間かけて走破したウルトラマラソン走者・関家良一さん(48/相模原市)。偉業達成の「同志」が、IT技術の専門家としてキャンプ座間で働き、市公民館の英会話サークルで講師も務めるアービン・ローレンスさん(51/愛川町)だ。自転車で伴走しながら、ルートを外れないための「ナビゲーター」や、ネットで関家さんの雄姿を伝える「広報」など1人何役もこなし支え続けた。
東北チャリティランは、発災時に米軍が展開した「トモダチ作戦」の感謝を伝えるため関連施設を巡りながら被災地を走り、復興支援の輪を広げるもの。英会話レッスンを通じて関家さんと知り合ったローレンスさんは、企画に賛同し伴走を申し出た。さらに、2人のサポートスタッフとして知人の小笹利香さんと種村美保子さんが参加した。
2人は3月3日、作戦が始まったとされるキャンプ富士(静岡県)を出発した。
1170Kmを走るチャレンジは、想定を大きく超える難しいものになった。ローレンスさんの自転車には、衣類や食料が詰まった50kgほどのリュックが備え付けられた。関家さんのランニングペースに合わせながら、不安定な自転車で伴走する。タイヤのパンクやブレーキ故障など自転車トラブルも相次ぎ、疲労は日に日に蓄積していった。
もう一つの難敵が「道」だった。事前に調べたコースを走っても、被災地では急に道が途切れることがあった。地震や津波で道路が寸断されたり、整備工事によって通行止めになっていたためだ。運転しながらのコースの修正は、特にメンタル面の疲れが大きかったという。
震災孤児の笑顔
苦難の道で活力となったのが震災孤児の笑顔。自転車やバスケットボールのゴールなどを寄贈するため3月11日、震災孤児や支援する仙台市のNPO法人を訪問した。短いながら、子どもたちと触れ合った時間。「人懐こくてフレンドリー。その明るさに驚いた」とローレンスさん。笑顔にエネルギーをもらい、「疲れが吹き飛んだ」と振り返る。
新たな夢も
ゴールの米軍三沢基地(青森県)に着いたのは19日。股関節や膝に故障を抱え、万全とは程遠い状態で走り続けた関家さんについては、「信じられないくらいタフだった。すごい」と尊敬の気持ちを口にする。
今後に向け、温めているアイデアがある。被災地の仮設住宅で暮らす人々に、クリスマスプレゼントを渡すことだ。「サンタクロースの服を着て、自転車をソリみたいにカスタマイズして。そんな夢があります」と笑顔で話した。
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