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座間版 公開:2020年1月1日 エリアトップへ

ペットはどうするの、車で行っていいの  浮き彫りになった課題

社会

公開:2020年1月1日

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 座間市で初めて、避難者が1000人を超えた。相模川の上流に位置する城山ダムが「緊急放流」を宣言し、市制始まって以来、初めて避難勧告を発令したこともあり、相模川流域を中心に避難者が多かった。

 台風19号は関東甲信、南東北など広域に、死者・行方不明者96人、堤防決壊は71河川・140カ所と甚大な被害をもたらした。その中でも、被害者のうち、20人以上が車の中で被災したとみられている。避難場所などに向かおうとしていた時に車での移動中に流されるケースが目立った。

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 座間市では避難するときに車の使用は控えるように呼び掛けている。しかし、避難場所で対応した市職員は車の誘導に時間を割いた。避難勧告が発令されたのは午後2時30分。相模川の水位が上がり、城山ダムが緊急放流するという発表された時で、雨はすでに強く降っていた。避難者数は午後8時40分ごろがピークで、真っ暗の中を避難してきたことになる。

 座間市は「暗くなる前に避難して」と呼び掛けているが、今回の台風19号で暴風雨時の避難がいかに難しいかが浮き彫りになった。

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 「地震による避難場所の開設などは想定していたが、暴風雨は抜け落ちていたかもしれない」とある市職員が振り返った。座間市危機管理課は台風19号のあと、全課に対してアンケートを行った。台風19号に対して困ったことや再確認したいことなど様々な意見を募った。その中には、「避難場所と避難所の違いがよくわからず、避難してきた人からの問合せに戸惑ったことがあった」「避難場所と避難所の開設方法や仕様が違うことを理解していなかった。ちゃんと理解したい」などの声があったという。

 当日は朝6時から開設した自主避難用の避難場所はコミュニティセンターなど8施設。そこに2〜3人の市職員が担当した。雨が強くなり避難勧告が発令され、小学校などが避難場所に追加されると新たな避難場所には10人以上の市職員が対応し、車の誘導なども行った。対応した市職員の一人は「多くの避難者が集まり始め、その対応をするだけで周りを見ている余裕はなかった」と話している。

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 避難場所では、避難者から「何か食べるものはないのか」「寒いので暖を取りたい」「なぜペットを入れられないのか」などの問合せがあったという。いつ起こるか分からない地震や火災などと違い、今回の台風19号は数日前から気象庁が注意を呼びかけ、公共交通機関も計画運休を発表していた。市は事前に防寒・雨具や飲食物の持参を呼び掛けていた。また小学校の校舎2階を避難場所にしたが、「なぜ体育館ではないのか」という問合せもあった。相模川の越水などが心配だった今回の台風の場合、低いところより2階、3階といったより高いところに避難する垂直避難のほうがより安全なための対応だった。

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 市は電話での問合せにも対応した。市ホームページや緊急情報メール、携帯電話などに届くエリアメールなどを発信すると、その内容に対する問合せが多かったという。やはり「ペットはなぜ一緒に避難できないのか」「どこに避難すればいいか」などといった問合せが多かったという。またごみの収集はどうなるのかといった質問もあったという。

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 座間市消防は、「人的被害もなく、問合せなどは通常と変わらなかった」という。消防団と連携し、相模川沿いでの見守り・警戒や注意を呼び掛けた。消防署では避難勧告が発令されるなど消防団にとっても初めてのことが多かったので、10月24日に検討会議を開催した。団長・副団長・団員など70人ほどが集まり、市や消防がどのように動いたのかなどを説明したという。「大事なのは今回経験したことを全員で共有すること。いつ、どんな災害が起きるかわからないから、常日頃から防災意識を市民の皆さんも持ってほしい」と話していた。

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 「防災無線が聞こえなかった」という声が多かった。暴風雨の時は雨戸を閉めることが多い。また防音工事も進んでいることも要因の一つ。どのようにしたら情報を市民に伝えられるのかというのも行政の大きな課題だ。現在はホームページや緊急情報メール「いさま」、登録しなくても市内にいれば携帯電話に届くエリアメールなどがある。どれも一長一短があり、エリアメールなど、市境に居住する人はほかの自治体のメールも受信することから、「うるさいから電源を切った」とか、携帯電話の操作方法がわからないから「見直すことができなかった」などの声もあった。

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 土砂が流れ込み、バックネットなどが壊れ大きな被害を受けた河川敷の相模川グラウンドは現在も利用できない状態になっている。市は5月の大凧まつりまでには復旧したいとしている。

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