高島屋創業180周年記念「―世界の街―相笠昌義展」を開催する 相笠 昌義さん 立野台在住 72歳
思いはストレートに
○…高島屋の創業180周年記念で行う個展は、この1年で描いた、およそ40点を展示。モロッコやパリ、メキシコなど海外を渡り歩いたときに出会った子どもたちや人々を街の風景とともに表現。子どもの絵は「絵のふくらみや息抜きになる」と、多くの作品の中に描かれる。
○…「筆を持たない日はない」。動物や昆虫を描くこともあれば、駅のホームや電車内など「単調な風景こそ絵になる」と他人には真似できない”何か”を表現する。およそ70畳ある自宅のアトリエは、デッサンや資料、本などであふれている。絵を本格的に始めたのは東京藝術大学に入ってからで「でも、絵描きになろうとは思っていなかった」。卒業後は女子高の美術教員に。「僕も若かったし、選択の授業では100人近くの希望学生が集まって困った」と懐かしそう。その後、学校を辞め本格的に絵画の道へ。盛岡で初の個展を開くが、1点も売れない日々が何年も続いた。30歳を過ぎて台頭し、テレビや雑誌にひっぱりだこ。教科書に作品が載るようになった。
○…東京都日本橋出身。35歳で座間市に移り住んだ。大学ではボクシング部のキャプテンも務めた。ストレートが得意で「ノックアウトさせたこともあったよ。でもノックアウトしたこともね」。また、学生時代には寝袋を片手に昆虫採集にも夢中になった。「大自然の中の野宿は、僕ひとりしか生きていない感じだった」。昆虫標本は100以上所持し、養老孟司さんなど、各界の昆虫好きが集まる「日本昆虫協会」の理事を務める。特に”ふんちゅう”が好きで何百匹の標本を少年の顔で眺めている。
○…多忙なスケジュールを支えるのは、同郷で誕生日も1日違いの奥さん。その出会いを「運命だった」。「主人は絵を描くことだけ」と笑うが、「陶酔できる絵。じっくり見てほしい」と一番の理解者だ。これからも、奥さんと二人三脚で絵を描き続ける。
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