井上尚弥・拓真後援会の会長を務める 工藤 元（げん）さん 44歳
友の家族愛に心動かされ
○…「ホッとしたというのが正直な気持ち」。９月４日、市内在住のプロボクサー世界王者・井上尚弥さんと弟・拓真さん、そして２人の従兄の浩樹さんがスカイアリーナ座間で戦い揃って勝利した。「凱旋」を派手に打ち出した、地元での大一番。口に出さなくても、３人がプレッシャーを感じていることは分かっていた。「手強い相手ばかり。ヒヤリとした場面もあったけれど、最後はしっかり勝ってくれました」と称賛するともに、「（勝利は）大声援を送ってくれた座間市民の皆様のおかげです」と感謝の気持ちを述べる。
○…兄弟の父親でトレーナーの真吾さんとは10代からの友人。２０１４年に会長を任されたのも、この縁がきっかけだった。当時は尚弥さんが東洋太平洋王者になり、拓真さんが高校生ながらプロ初勝利を飾った時期。２人の活躍を知った時にまず出てきたのは、真吾さんへの尊敬の念だった。「立派に育てて、すごいなって。驚きました」。会長に就任して深く井上家と関わるようになり改めて、真吾さんの実直さ、家族愛の大きさに感銘を覚えたそう。「我欲が無くて、話すのは家族の事ばかり。本当に素晴らしい父親」――。真吾さんについて語る姿は、どこか誇らしげだ。
○…住まいは相模原。最近は会長として忙しなく動いているが、自動車保険や飲食店などを手掛ける実業家という顔も持つ。休日は子煩悩な父。７歳と４歳の愛娘たちと過ごす時間が、何よりの休息。「育児は全力投球。真吾の影響は受けているかも」とはにかむ。
○…「チーム井上がボクシングに集中できる環境を整える事」。それが後援会に課せられた使命だという。年末には拓真さんが世界タイトルに挑戦する。「兄弟世界王者」への期待が高まるなか、今まで以上に勝利を後押しする考えだ。「井上家の名に恥じぬよう、世界一の後援会を目指して全力を尽くします」と、早くも意気込んでいる。
座間版の人物風土記最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
