市制40周年の節目となる2011(平成23)年の元旦にあわせ、本紙では遠藤三紀夫市長にインタビューを行った。今年が初年度となる第四次総合計画に加え、市が推進してきた市民と行政による「協働のまちづくり」を軸に、座間市が目指す道筋などを聞いた。 (聞き手/佐々木淳)
―あけましておめでとうございます。昨年を振り返るとどんな1年だったでしょうか。
依然として厳しい経済状況のなかで、住んでよかったと思える座間を目指すべく、その指針となる第四次総合計画の策定を進めてまいりました。今年を初年度とするこの総合計画は、社会環境の変化や市民ニーズに対応するため、計画期間をこれまでの20年から10年に短縮し、5年後に見直しが図れるようになっています。市民の皆様との「協働」による住みよいまちづくりの指針となる計画の策定を進めてきた昨年は、市制40周年の節目を迎えた本市の新たな道筋につながる重要な1年だったと思います。
―市民との「協働」に関して、相模が丘の桜並木再生の取り組みや小田急相模原駅周辺の再開発についてはどのようにお考えでしょうか。
昨年は相模が丘地域のまちづくりが、時間をかけた地域住民との協働作業で目に見える形で動き始めたと感じております。これまでのまちづくりの成果は、鈴鹿長宿のような旧市街地の景観を生かしたもの、谷戸山などの緑地保全、緑ヶ丘地区の区画整理や地区計画の指定などが挙げられます。こうした取り組みも継承しながら、近年の相模が丘のような協働のまちづくりの動きをさらに育てていき、これを新たなまちづくりモデルにしたいと考えております。
―昨年の市長対談の際、重要施策の1つに挙げられた「エコのまちづくり」についてその後の進ちょくはいかがでしょうか。
市内にある日産とNECの合弁企業「オートモーティブエナジーサプライ」で生産されたリチウムイオン電池を積んだ電気自動車「リーフ」が今年から走り始めます。この電池は、今後ほかの車種や日産の提携先であるルノー社の自動車にも搭載されるなど、世界中に羽ばたくことになります。この事業には市として前向きな理解のもと可能な協力をさせていただいているところです。インフラ整備も市役所に設置した急速充電器をはじめ、市内商業施設などの充電設備の整備をあわせ環境は整いつつあります。
―「エコのまちづくり」は新総合計画にどう反映されますか。
新総合計画の環境保全の重点施策として2カ年かけ環境基本条例の制定と環境基本計画の策定を進めます。環境を取り巻く状況が複雑・広域化したことから、関連分野との整合を図り、市民、団体、事業者の方々のご意見をお聞きし、それらを総合的にまとめ、条例などに基づき環境に配慮したまちを目指し、住みよい座間にしたいと考えています。
―住みやすさの観点から見ると、昨年はコンビニでの住民票などの交付決定、庁内液晶による行政情報の提供開始など市民サービスも向上しました。
これまで時代のニーズに沿って対応してまいりました。そもそも市民サービスの原点は親切、ていねい、公正な接客だと考えます。今後はセブンイレブンの多機能端末でも住民基本台帳カードにより住民票の写しなどが交付できるよう計画しております。『市役所に行ったら前より親切に対応してくれた』と言われるように努力してまいります。
―東海大相模の甲子園準優勝や座間高サッカー部の選手権初出場など、昨年は地域スポーツが飛躍した年でもありました。
ほかにも本市初のプロ野球選手誕生やアジア大会をはじめ全国・関東大会の各種競技で優秀な成績を収めていただきました。また、入賞には至らぬけれど各分野で個人・団体が目標に向けて精進されたことは素晴らしいと思います。地域スポーツの振興は人と人との交流や健康づくりの面でも重要です。市民の皆様が気軽にスポーツやレクリエーションを楽しめる環境の整備、さらには指導者の育成、各種団体の育成、各種事業の実施を推進したいと考えます。
―最後に座間市民へのメッセージと市長の三が日の過ごし方をお聞かせください。
新たな時代に対応するため経営的視点に立ち、効率的・効果的な市政運営を推し進めます。郷土への愛着を持った協働のまちづくりによる活力ある座間を市民の皆様とともに創(つく)るために全身全霊を尽くす所存でございます。本年も変わらぬご理解、ご協力を倍旧のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
三が日は家族とゆっくり過ごす予定です。
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