座間市は8月、市民から出された古紙の不正な持ち去りに対し、GPS(衛星利用測位システム)を利用した追跡調査を開始した。持ち去り行為の抑止が期待されるほか、それらの古紙を受け入れた業者特定に役立てられる。
全国的な問題に発展している、集積所における缶や古紙などの資源物の持ち去り。座間市でも多くの被害が報告されている。ここ数年間にわたり、市民から毎年50件ほどの苦情が寄せられていたという。
回収された資源物は通常、市から回収業者に売却されて売却金は市の財源に充てられる。資源物持ち去りによる減少額は年間で約2千万円と推計される。
これに対抗すべく市資源対策課では、昨年から職員によるパトロールなどを実施してきた。さらに、今年4月には資源物の持ち去りを禁止する条例を施行。違反者には20万円以下の罰金を科すことができるようになった。2013年度の持ち去り対象資源物の回収状況は、昨年度の同時期と比較すると約5・9%増加しているという。
今回の対策は、関東地方の古紙回収業者からなる「関東製紙原料直納商工組合」の協力のもと行われる。被害の目立つ古紙にGPS発信機をセットし、持ち去りルートと、その古紙の受け入れ業者を追跡、特定する。
特定した業者に対しては、市が指導する。また、ケースに応じて古紙商品化適格事業所認定の取り消しや、同組合からの除名といった処分が下される。
同様の試み全国で広がる
同様の試みは、2012年に名古屋市で開始されて以来、全国的な広まりを見せている。関東では今年6月に東京都西東京市などで、県内では8月に相模原市でGPSを活用した追跡調査が開始された。
同課は「現在進めている他の防止策と併せ、不正のないリサイクル体制作りを進めたい」と話す。また、不正者に対する住民による注意は危険が伴うとして、「違反者を見かけた際には安易に近づかず、市または警察に場所と時間、車の特徴やナンバーなどをお知らせください」と市民に呼びかけている。
問い合わせ、情報提供は同課【電話】046・252・7985へ。
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