座間市教育研究所がこのほど、市の教育史を取りまとめた「座間市教育史第1巻 近代資料編」を発行した。13年前に資料収集や調査を開始し、1000ページ近い大作に仕上げた。かつて「気品ある教育尊重の町」として知られたという座間。そのルーツを、専門家だけでなく一般市民にも分かりやすいよう時系列順に並べ、解説を加えてまとめ上げた。
今回発行された第1巻では、江戸後期から大正時代までの教育資料がまとめられている。資料は当時の教育規則を示すものから、教育史の要人が書いた日記まで様々だ。
編集にあたったのは、大谷之彦さん(=写真)を中心とする座間市教育委員会教育研究所の教育史編集員4人。2000年度に「教育史編さん室」が設立され、初めのおよそ8年を資料収集と調査に費やしたという。
大谷編集員によると、座間は江戸時代後期に大矢弥市氏・弥七氏の兄弟が創設した「郷学校誠志館」や、明治33年に立ち上げられ、子どもたちやOBが率先して運営資金作りを行ったという自助組織「座間村幼年会」など、先進的な仕組みを持った教育組織が存在した。郷学校誠志館は県内初の公認学校の一つとも言われており、旧文部省発行の「日本教育史」にもその名を残しているという。
「一般の方も興味持って」
資料は全て時代ごとに区分し、文章もなるべく原文に沿った形で掲載した。各章のはじめには、その時代に起こった主な出来事と、掲載された資料の意味や歴史的価値を示した解説を付け加えた。「ただ資料を載せるだけでは、専門家にしかその価値が上手く伝わらないのではないかと思った。広く一般の方にも、面白いと思っていただければ嬉しい」
同書籍は、市役所1階の市民情報コーナーで閲覧・購入することができる。1冊3590円。問い合わせは同研究所【電話】046・252・8460へ。
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