座間市に寄せられた児童虐待の相談・通告件数が2014年度、131件と過去最多を更新した。ここ数年、幼い子どもが被害に遭う事件が増えていることから、市では養育者の心のケアなど対策を進めている。
市子育て支援課によると、虐待に関する相談件数は年々増えており、3年前(65件)と比べて倍増している。増加の一因が、社会的な関心の高まり。昨年5月には、近隣の厚木市で男児の白骨遺体が見つかり、父親が逮捕された。こうした事件の報道を通じて、注意がより向くようになり、「子どもが泣き叫んでいる」「親の怒鳴り声が聞える」など近隣からの連絡が増えたという。
種別では、家に閉じ込めて食事を与えない、健康診断を受けさせない、学校に登校させないなど、親が果たすべき養育責任を放棄する「ネグレクト」が65件と全体の半数近くを占める。続くのが心理的なもの(34件)で、その多くは夫婦喧嘩。子どもの目の前で、暴力を振るうケースもある。
虐待を防ぐには、早期に事実を把握することが重要となる。同課職員は「身内でない人が、虐待の有無を判断することは難しい。近くで『あれ』と思うようなことがあったら、躊躇せずにすぐ連絡して下さい」と呼びかけている。
心のケア拡充へ
主な虐待者については、実母が107件と8割に上っている。核家族化の進行などにより、1人で育児する時間が増え、不安やストレスをため込んでしまうという。
市では、未就学児とその保護者の支援などを目的として、「子育て支援センター」を、市内東原と相模が丘に設けている。今月8日(月)には座間駅前東口すぐの団地内に、3番目となる同センターを開所させる。さらに今年の秋以降、親を対象として、怒鳴らない育て方を学ぶ教室の開催も予定している。
職員は「子育て中は視野が狭くなりがちですが、不安を誰かに話すだけで気持ちが楽になります。いつでも相談を受け付けています」と話している。
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