震災からの復興を掲げ被災地でたいやきを配る”たいやきプロジェクト”。考案者の鈴木幸一さん(横浜市)に賛同するざま災害ボランティアネットワーク(田中順尚代表)では、たいやきを雇用創出につなげようと、12月13日(火)から岩手県遠野市で現地スタッフにたいやきの焼き方や機材の使い方を指導する。
「もう畑なんてできねぇよ。でもこれなら俺でも…」。10月下旬、会津若松市にある仮設住宅を訪れたざま災ボラメンバーの濱田政宏さんは、たいやきを焼く手元をじっと見つめる男性がこうつぶやくのを聞いた。そこで暮らすのは福島第一原発のある大熊町から避難してきた人々。すぐ横で子どもたちが粉と牛乳を必死になって混ぜ合わせ、たいやきを紙に包んで配る作業を手伝ってくれていた。
初めて被災地でたいやきを配ったのは8月。鈴木さんと一緒に岩手県山田町を訪れた。真夏の暑さにもかかわらず長い行列ができ、仏前の供え物としても重宝された。数ヶ月がたった今、濱田さんは「与えられるばかりの立場が続くのは被災者の方にとって良いことではない。何より被災者自身が自分にできることを探している。一刻も早く雇用を創出しなければ」と話す。
ざま災ボラでは12月13日から岩手県遠野市のボランティア施設金太郎ハウスを視察。先に現地入りする鈴木さんとともに、現地スタッフにたいやきの焼き方や機材の使い方を教える。「たいやきの原価は1個40円。仕事として成立させるには課題も残るがひとつずつ進めていきたい」としている。
たいやきプロジェクト
鈴木さんが考案した同プロジェクトは、たいやきシール1枚100円の売上げを活動資金に、被災地でたいやきを焼いて配るというもの。被災した子どもたちにも手伝ってもらうことで、心のケアも兼ねている。鈴木さんは11月までに39箇所で計1万1200個のたいやきを配った。
ざま災ボラではメンバーがたいやき機の土台を手作りしたり、機材の寄贈を受けるといった動きがあったことから単独でもプロジェクトを進め、10月と11月には福島県内で1600個のたいやきを配った。
仮設住宅では方言の違いが壁になり住民同士の交流が断絶する問題も多い。たいやきはお茶会のきっかけにもなるという。濱田さんは「色々な形で復興支援につながってほしい」と話している。問い合わせはざま災ボラ事務局【電話】/【FAX】046(255)0266まで。
座間版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|