全国各地の自治体で拡がりつつある市民参加型の防災訓練「シェイクアウト」が、1月23日の午前11時、座間市全域で開催された。3回目となった今年の登録者数は、5万2753人と過去最多を更新し、市の昼間人口(約10万人)の50%以上が参加したと見られる。日本シェイクアウト提唱会議の澤野次郎事務局長によると、この参加率は全国有数で、東京近郊の自治体では「トップ」になるという。
シェイクアウトは、米カリフォルニア州が発祥で、事前に参加者を公募する防災訓練。エントリーした人は、決められた日時に「まず低く」「頭を守り」「動かない」という安全行動を行う。日本では、2012年3月に東京都千代田区が初めて開催。座間市は県内自治体に先駆けて、市民団体「ざま災害ボランティアネットワーク」(=災ボラ/濱田政宏代表)と協働で2013年1月23日に実施した。
澤野事務局長によると、2014年にシェイクアウトを行ったのは1都9県と約40の市町村。昼間人口の50%という座間市の参加率は、全国でも有数だという。同程度の参加率に長野県飯田市や茨城県水戸市があるものの、「東京近郊のベッドタウンで半数が集まるのは座間ぐらいでは」と分析する。成功の要因については官民協働を挙げ、「行政と民間団体がそれぞれの役割を持ちながら取り組んでいるのが、特筆すべき点」と高く評価する。
濱田代表は「登録者全員が、安全行動を取ったという事はあり得ないと思う。しかし、申し込み時には大地震を自分の事として考えていた。そこが大切です」と結果を冷静に受け止めていた。
「市民に浸透」
23日の午前11時は、参加者が、官公庁や学校、事業所、家庭などそれぞれの場所で安全行動を取った。生後間もない子どもと市役所を訪れていた女性は「11時のサイレンに合わせて、とっさに頭を守りました。(今回の経験を)防災について考えるきっかけにしたい」と話した。
今年は自治会からのエントリーが多く、前年から約1万1000人増えて2万3662人になった。自治会に参加を呼び掛けた市安全防災課職員は「シェイクアウトについて知っている人が多かった。市民の間に浸透していることを実感した」と手ごたえを話す。23日に加え、18日の自主行事でもシェイクアウトに取り組んだという広野台第3自治会(会員数145世帯)の矢崎信之会長は「自分の命は、自ら守らなければいけません。訓練を通じて住民の防災意識を高めることが、災害時の被害軽減につながるはずです」とコメントした。
来年も1月23日に行う予定で、初の土曜開催。「より質が求められる」と濱田代表。市担当職員は「今年以上に、市民が主役の防災訓練を目指さなくては」と意気込んでいる。
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