中堅企業と中小事業所の優れた技術や製品を選ぶ「第32回 神奈川工業技術開発大賞」で、ネットセキュリティ製品などを手掛けるサイエンスパーク(株)(小路幸市郎代表取締役/入谷)が、ビジネス賞を獲得した。受賞したのは、パソコンの情報漏洩や不正アクセスを防ぐためのソフトウェア開発を簡易化するキット。11月10日には県庁で表彰式が執り行われる。
同制度は、県と神奈川新聞社の共催で1984年から続けられている。今年度は20件の応募があり、有識者らによる審査の結果、7事業所の製品や装置が入賞した。
ビジネス賞は大賞に次ぐもので、商品の販売状況が特に優れている技術や製品などが選ばれた。同社は、2005年の奨励賞に続いて2度目の入賞。
周辺機器に焦点
同社の情報セキュリティシステム開発支援キットは、パソコンと接続する「周辺機器」からの情報漏洩などを防ぐことが狙い。周辺機器には光学ディスク、補助記憶装置(=USBメモリ)、スマートフォン、プリンターなどがある。近年はこれらの機器が、情報漏洩や不正アクセスの原因になり、個人や団体の情報が危険な状態にさらされるケースが多いという。
受賞作は、これらの機器のデータ送受信の許可・禁止、データ暗号化、送受信履歴の取得などを行うセキュリティソフトの開発支援キット(2014年版)。「Driveware(ドライブウェア)」と呼ぶ自社技術を製品化したもので、2004年の発売から改良を重ね続け、現在では把握できているだけでも国内外およそ170万台のパソコンに導入されているという。
ソフト充実に寄与
支援キットによって、開発に関わる負担が軽減され、セキュリティ機能を備えたソフトの拡充が期待される。同社の永尾大介さんは「情報化社会の発展に貢献できる商品。ビジネス賞を獲得できて嬉しい」とコメント。開発課の井上宜子さんは「情報漏洩は、流出した側、させた側にとって人生を揺るがす大きな問題です。(キットが)そうした『不幸』を少しでも減らすことに繋がれば」と期待を口にしている。
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