内閣府による「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」に、ダウン症や自閉症児への理解を促す公演を全国各地で続ける「座間キャラバン隊」(敷島文(あや)代表)が選ばれた。県内の団体が受賞するのは8年ぶり。12月20日に都内で表彰式が行われた。
子のため、母親らが活動
この制度は、高齢者や障がい者が生活しやすい環境を整える「バリアフリー」と、あらゆる人が使いやすい製品やサービスを設計する「ユニバーサルデザイン」について、その普及に貢献した企業・団体を称えるもの。施設や道路といったハード整備だけでなく、啓発事業も対象となる。
15回目の今年度は関係省庁や都道府県から33件の推薦があり、6件が受賞した。座間キャラバン隊は、公演回数およそ300回、観賞者数2万人超という実績や、類似した取り組みが全国に広がっている点が評価され、内閣府特命担当大臣奨励賞を獲得。表彰式では加藤勝信内閣府特命担当大臣から、敷島代表へ賞状が手渡された。
手作り品で疑似体験
同隊(https://zama-caravantai.jimdo.com/)は、2003年に結成。知的障がい児(者)や保護者などで組織される「座間市手をつなぐ育成会」の母親有志が啓発事業として、相模野小学校で公演したのがきっかけだった。2008年に独立し、現在は敷島代表を含めて4人が所属。原則小学4年生以上を対象に、行政や教育機関、企業などから依頼を受けている。
公演時間は基本90分。ダウン症や自閉症の特徴をただ説明するだけではなく、参加者に疑似体験してもらうことを重視している。集団において思うように意思疎通できない状況や、手づくりグッズを駆使して自閉症児の視野を体験するといもの。その上で、「目を見ながら語りかける」「ゆっくりとハッキリした口調で話す」「肯定的な言葉で正しい行動を伝える」など、接し方のコツやヒントをアドバイスする。
仲間を募る
「参加者からの感想が原動力でした」と、少人数ながら13年にわたり継続できた要因を説明する敷島代表。公演後に特別支援学級を訪れる子どもが増えたといった「変化」も、大きな励みになったという。
今回の選出について「母親たちで始めた活動がここまで広がり、国から表彰されるとは驚きました」と話すとともに、「障がい児への理解を呼びかけるという基本はこれからも変わりません。一緒に頑張ってくれる仲間を増やしながら、活動を続けていきます」と抱負を語った。
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