座間市上下水道局はこのほど、災害用手押しポンプを相模が丘2丁目の住宅街に設置した。水質観測の役割を終えた井戸を自治会の要請で再生したもので、敷地はオープンスペースに。2月28日から運用を開始し、生活用水として日頃から誰でも利用できる。
ポンプは、ケーヨーデイツー相武台店近くの住宅街(相模が丘2の44)に設置された。この場所には、1971年から水質や地下水位測定のための井戸が置かれていた。88年に役割を終え、施設は同局が管理。フェンスで囲まれ日頃立ち入ることはできず、建物も老朽化が進んでいたという。
設置にあたり、囲いを無くしオープンスペースとした上で、ポンプは近隣住民がいつでも使えるように開放。飲むことはできないが、生活用水として活用できる。同様の施設は市内初。所有は同局が継続し、維持管理は今後座間市危機管理課が請け負う。
ポンプ設置の契機は4年前。当時相模が丘2丁目自治会の会長を務めていた金安三美さんが、「災害時の生活用水のため、井戸をもう一度使えるようにならないか」と同局水道施設課に打診したという。
「災害時に困るのはトイレの水をはじめとした生活用水の問題。それに、住宅密集地で初期消火に失敗したら大変なことになる」。阪神淡路大震災を経験した金安さんは、水の重要性を語る。自治会からの要望を受け、同局は実現可能性を検討。調査の末、昨年予算化することができた。
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市内では他に5カ所ポンプが設置されており、市と協定を結んだ自治会が災害時や防災訓練の際に利用できるようになっている。日頃は施錠されており、鍵は自治会が所有。そのため、災害時に鍵の所有者が不在の際、利用できないケースや、自治会未加入者が利用しづらいという課題がある。
オープンスペースとすることで、井戸端コミュニティの形成や災害時の「いっとき集合場所」としての活用が期待されている。また、日ごろから解放し親しんでもらうことで、「水のまち・ざまを体感してもらえる」と市担当者は語る。
相模が丘2丁目では、バケツリレーをはじめとした訓練を行っている。今後、ポンプを有効活用するため、バケツの配備などを検討していくという。同会の高倉守会長は「防災上、水の確保は重要。役立てていきたい」と話した。
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