神奈川県知事賞を受賞し「ねんりんピック2011熊本」に県代表で絵画を出展する 村谷 節子さん 広野台在住 70歳
大胆なインドア派
○…遠い地、熊本で10月に自身の絵が展示される。暗い部屋のなか、テーブルと壁に差し込む光が描かれた静かな絵。”空気”を題材にしたこの作品は、県のシニア展で最高位を受賞した。開催中の市内の作品展にも別の絵を出展している。「意気込みなんて大それたものは…。他の方々の絵は、私よりも素晴らしいんですもの」。控えめにつぶやく。
○…7人兄弟の末っ子。幼いころは病弱で、いつも本や俳句、美術に触れていた。「恥ずかしがり屋の緊張しい」で人前に立つことが大の苦手だったという。当時、先生から何度も絵を褒められたことが、20歳を過ぎた社会人生活の中でも思い出された。「またやりたいと少し思っただけだったのに」。画材にありったけの資金をつぎ込むほどのめりこんだ。結婚、子育てを機に一時中断するも故郷の府中から移り住んだ座間市で、無料の絵画教室を見つけ再開。5年前からは市絵画同好会「グループI」に所属し、70歳になった今も仲間と一緒に裸眼でキャンバスに向かう。
○…3人の子育てが自分を大きく変えた。母として、恥ずかしがりやを克服するためPTA役員に立候補し、人前で話す機会を増やした。社会とも繋がっていたいと、夫に内緒でアルバイトを経験。「単純な性格なの。年齢より10歳下に見てください」と笑う。今も現役で働く夫とは、互いに干渉しすぎず、好きなことに没頭することを認め合う間柄だ。一方で「ボランティア活動とかどうかしら。2人一緒に」と今後の話もちらほら。
○…「他の人と違う視点で絵を描きたい。きれいな写実絵なんかを見ると、ちょちょっと筆を入れたくなるの」と天邪鬼な一面も。趣味で通う刺繍教室ではお手本へのアレンジを欠かさない。取材の写真撮影になると「どうぞ」と自画像を指差す茶目っぷりを見せる。上品さを残しつつ、遊び心いっぱいの、大胆なインドア派だ。
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