座間市民芸術祭の「菊花展」で県知事賞と市長賞をダブル受賞した 大木 治男さん ひばりが丘在住 65歳
着実にじっくり
○…定年後、63歳で「ゆっくり菊を育てよう」と本格的に始めるため市菊友会に入会。50人いる会員の中で最年少だ。菊花展では3本仕立ての大菊を作る盆養の部で、5点出品したうち2点が賞に入った。200の芽から良質な65苗を見極め、さらに10鉢に絞り込んだうちの5点。半年かけて1日も休みなく世話をした。「一番いいときに嫁入りさせるもの」と審査日に最高の状態になるように計画的に育てた。受賞を知ったのは電話。「最初は信じられなかった」と笑う。当日は母親の1周忌だった。「応援してくれていると思ったよ」
○…45歳のときに近所の人が育てている菊をみて「日本」を感じた。魅力は花の大きさ。入会した年に龍源院菊花展と市民芸術祭菊花展で優等首席に輝いた。「ビギナーズラック」と笑うが「成功と失敗は紙一重」で常に花が咲くまで不安のほうが大きいという。サラリーマン時代は朝4時半に起きて菊の世話をしてから出勤。家に帰り懐中電灯で照らしながら手をかけた。菊作りは「何も言わない菊と会話して、今どうしたらいいのか、見つけてあげること」
○…座間市で生まれ育った。妻と2人の子どもと暮らす。ゴルフが好きで、2年前からはじめた地域でのバードゴルフ。まず菊と両立できるか1年間考えて返事をした。朝8時半まで菊の世話をして、その後の時間を使って参加できると判断したという。活動に力も入り2月に優勝も。旅行好きの妻とは趣味は干渉しあわないという。「それがうまくいく秘訣」。ただ、菊の世話が落ち着く12月から3月までは一緒に台湾など旅行にも。
○…モットーは「驕れる者久しからず」。目立つことはあまり好きではないという。ただ出品するからには賞を目指す。一つひとつの作業に思いを込めて、「完璧なものを」。来年は「寒川神社や大船の菊花展へ出品したい」と今後の活動にも意気込んでいる。
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