座間市商工会 飲食業部会の部会長に就任した 片野 昌幸さん 座間在住 53歳
実直に続ける
○…座間市商工会の5番目の部会として、設立された「飲食業部会」。107事業所の会員をまとめる部会長として、大切にするのは周囲の調和。「会員同士の相互理解を図りながら、事業を進めていきたい」と語る。また、不景気の影響で苦戦している飲食店が多いなか、「魅力ある店づくりのお手伝いをする。そういう部会にしたい」と意気込む。
○…市内座間の「食事処盛月」の代表取締役を務める。同店は、曾祖父が100年以上前に創業した老舗。4代目となる自身は、先代の父親の背中を見ながら育ってきた。大学生の頃には、料理人以外の道に目を向けた時期もあったが、父親とじっくり話し合った結果、今の道を歩む決断をした。「難しいことだけど、時代の変化に合わせてお店も少しずつ変わっていかないと」と、日々工夫をこらす。例えば材料ではカラフルな野菜を取り入れ、華やかな雰囲気に仕上げたりと、若者が喜ぶものを作る。「『美味しかったよ』と言ってくれると報われます」
○…実直で真面目な人柄。その性格は、店づくりにも表れている。「『商い』は『飽きない』。しっかりと店を続けることが大事」という考えのもと、どんな状況でも店を開ける。思い出深いエピソードが1つ。電柱が倒れて、店の周囲一帯が2日間ほど停電に陥った冬のこと。真っ暗な夜に、店内にろうそくを立てて営業した。当然、冷蔵庫も使えなかったが、積もっていた雪でかまくらを作り、簡易の冷蔵庫に仕立てたという。「お客さんはほとんどこなかったけど、頑張って店を開けていた」と苦笑い混じりに振り返る。
○…母親と妻、3人の子どもと暮らしている。普段はなかなか家族で夕飯を食べる時間が持てないが、店の定休日である水曜日は、できる限り団らんの時間を作る。「ご飯を食べながら、子どもと仕事や勉強の話をします。大切な時間ですね」と、柔和な父親の表情で語った。
|
|
|
|
|
|