アジア太平洋蘭会議・蘭展沖縄大会で奨励賞を受賞した 加藤 春幸さん 栗原在住 33歳
継続力で花ひらく
○…2月に沖縄で開催された「第11回アジア太平洋蘭会議・蘭展沖縄大会」で、出品したカトレア「Kiss(キッス)of(オブ)Fire(ファイア)」が、世界各国から集まった1029点のなかで総合順位5位になり、奨励賞を受賞した。初の出品にして世界5位の快挙だが、気持ちは「嬉しさ半分。悔しさ半分」。「Kiss of Fire」は情熱的な赤や黄色の花が特徴で、奥さんがネーミングした。1位を取れるだけの自信作だっただけに、悔しい思いもある。ただ、洋蘭のオリンピックと呼ばれる同大会での上位入賞に、「実力がついた証明」と自信を深める。
○…父親が創業した(有)座間洋らんセンターで専務取締役を務める。力を入れているのは、蘭の品種を改良・開発する「育種」と言われる仕事。花の完成型をイメージし、交配、種作り、培養、苗の育成、開花、選別などを行う。1つの花を作るには、10年以上の月日がかかるという。「蘭というと華やかなイメージがあると思いますが、地道な作業の連続です」と話す。ここ数年、開発した蘭が農林水産大臣賞を受賞するなど数々の輝かしい成績を残している。「365日花のことを考えている」というように、長い間根気よく続けてきたことが、今の結果につながっている。
○…両親と協力して同センターを切り盛りする。両親やスタッフとの「おしゃべり」は貴重な時間。「専務は本当によく喋る人」というスタッフの人物評も親しい間柄ならでは。仕事漬けの日々を送っており、休日はほぼない。「もし1日休みが取れたら?」という質問には「温室にいるかも」と苦笑い。間もなく2歳になる息子と動物園に行くことが夢の一つだ。
○…座間生まれの座間育ち。将来の夢は、座間の名前を冠した蘭を世界に発信すること。「外国の人たちに、『座間と言えば蘭の街』と言って欲しい」―。持ち前の「続ける力」で世界での更なる飛躍を目指す。
|
|
|
|
|
|