健康ウォーキング講座を開く「ZAMA生涯学習ボランティア研究会」の代表を務める 井上 精司さん 東原在住 76歳
「心に老いは無い」
○…「地域には、自分の価値観と異なる人が多く存在する。生涯学習を通じ、そうした人たちと出会うことで新しい発見がある」。生涯学習啓発のため、体験講座を企画する「ZAMA生涯学習ボランティア研究会」の代表を2008年から務める。自身が生涯学習を意識し始めたのは40代〜50代の頃。地域との接点を模索していた時期だった。58歳の時には「定年後も目標を持った生活を送りたい」と、高齢化社会に役立つことを学び地域に伝える「健康生きがいづくりアドバイザー」の資格を取得し、本格的に生涯学習の扉を叩いた。今では同会のほか、市民サークル「ウクレレZAMA」の代表も務める。
○…ライフワークとも言えるのが登山。高校生で富士登山に挑戦してから、次第にその魅力の虜に。国内は北海道から屋久島、国外は欧州から北米まで山々を巡った。パートナーは妻・あきさん。登山が嫌いだったという妻を「10年かけて引きこんだ」。これからは、未踏の南米やアフリカに視野を向けているそう。
○…登山にウクレレ、趣味に没頭できるのも「平和があってこそ」――。そう強く思うのは、苛烈な戦争体験があったから。1945年5月29日、米軍爆撃機が横浜上空に襲来した。その焼夷弾による死者は8千〜1万人とも言われている。当時、横浜に住んでいた自身も、その真っ只中にいた。辺りは火の海になり、死体が積み重なっている場所も。「76年の人生の1日」だが、現在もその記憶は鮮明に刻まれている。だからこそ、今の平和に感謝し、その継続を望んで止まない。
○…「希望ある限り若く、失望とともに老い朽ちる」という1節で知られる、アメリカの詩人・サミュエル・ウルマンの作品「青春」。この詩に強い感銘を覚えている。物理的な老いはあっても精神的な老いは無い。「『高齢だから』なんて、自分で限界を作っては駄目」――。満面の笑顔で、そう語った。
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