発足した入谷第二地区社会福祉協議会の会長を務める 松村 坦(あきら)さん 入谷在住 74歳
笑顔のため、地域で汗
○…準備会立ち上げから1年9カ月、8日の設立総会をもって入谷第二地区社会福祉協議会が発足した。挨拶に立った時は、言葉に詰まった。多くの人々に支えられ「スタートライン」に漕ぎつけられたこと、それに対する感謝の気持ち。言葉を噛みしめながら、出席者1人ひとりに語りかけるように呼びかけた。「感無量」――。これからが本番としながらも、船出に胸が一杯になった。
○…物腰が柔らかく、穏やかな人柄。今の雰囲気からは想像できないが、百貨店に勤めていた頃は、正しいと思えば、上司が反対しても押し通す性格だった。商品陳列に異論があれば、上司が休みの時にレイアウトを変更し、売り上げを伸ばしたことも。人一倍負けず嫌いで、「数字」への執着は特に強かった。サラリーマンとして「ビジネス」に徹した時代から一転、退職後しばらくすると、「欲」や「得」を隅に追いやり物事を捉えるようになった。同協議会の会長を打診された時は迷いもはしたが、「地域のために汗を流そう」と決意した。
○…家族は妻、2人の子ども、そして愛犬の桃太郎。「我が家は桃太郎が一番。大きな犬小屋に人間が住んでいるみたい」と笑う。会社員時代に体調を崩した経験から、特に健康には気をつけており、7月にスポーツ吹き矢を始めた。最近は設立準備で忙しく疎遠になっていたが、一段落したら「吹きたい」と考えている。
○…総会では地域福祉の専門家から「真似っ子は駄目」と指摘された。自身が考える、同協議会の独自性は「笑顔」だ。「『ここに住んで良かった』と笑って言ってもらえる街が理想」と目を細める。毎朝、自宅前を掃除する際に、登校中の児童や会社員に「おはよう」と、笑顔で声をかけるのが日課。そうする内に、相手から挨拶されるようになった。1つの笑顔が、新しい笑顔を生み出す。そんな連鎖を生み出せないか、頭をひねっている。
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