神奈川県環境保全功労者表彰で自然保護功労者に選ばれた 廣瀨 幸四郎さん 四ツ谷在住
自然の声に耳傾けて
○…自然保護活動を続けて約40年。と言っても、その活動の大半は人間を相手にした啓発活動だ。「知らずに、悪意なく自然に大きなダメージを与えてしまうことが一番恐ろしい。それを防ぐには、地道にやっていくしかない」。身近では座間谷戸山公園、遠くは尾瀬の大自然まで。小まめに足を運んで続けたミニ講座やパトロールなどの活動が認められ、県自然保護功労者に選ばれた。
○…活動のきっかけは「罪悪感」だった。遡ること半世紀。尾瀬の湿原、「アヤメ平」が若者たちの間で人気スポットになった。見渡す限りの美しい湿原で解放感に浸った若者たちは、そこで踊り、寝そべり、跳ね回った。自身も仲間と訪れた尾瀬。しかし、数年後に目にしたのは、踏み荒らされて見る影もなく荒廃したアヤメ平の姿だった。悪意なく加害者になってしまったことに衝撃を受け、仕事仲間とともに尾瀬の保全活動を開始。今でも毎年5月になると、まだ雪の残る湿原へと入り9月頃まで計10回ほど足を運ぶ。
○…大阪府出身。20歳で繊維業界に入り、服飾デザインなどを担当していた。今でも布製品にはこだわりがあり、頭のバンダナと、ストッキングを改造して作ったアームカバーがトレードマーク。「ミニ講座なんかで、熱がこもらず長時間の運動に適したシャツについて話したり。全ての経験が今に生きてるよ」
○…自然の中で目に付く、高山植物の上に寝そべる人や、撮影のため湿原に足を踏み入れる人。様々な人が「これくらいなら」と行う小さな自然破壊が、本人の知らぬところで大きなダメージになっていく。「中には、注意しても『何でそんなことを言われなきゃいけないんだ』と怒らせてしまうこともある」と困り顔。身近な所にも悪意なき環境破壊は潜む。「キレイだからといって、知らずに外来種の雑草を植えてしまったり。そんな事を防ぐためにも、地道に続けていきたい」
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