座間録音奉仕グループ「泉の会」の会長を務める 杉山 晴子さん 相模原市在住 58歳
努力する楽天家
○…「泉の会」は昭和55年に始まり、現在35人のメンバーで活動をしている。視覚障害者に向けて、市の広報や市議会だより、「天声人語」などを録音。紙面に載っている図や表、写真なども声で説明する。8ページの広報を3日以上かけて、およそ150分の録音テープにまとめる。「もっと多くの方に録音テープを利用してほしい」と、メンバー同士で話し合いを続け、仕上がったものにも意見を出し合う。
○…同会の活動を初めて7年目。中学、高校と放送部に所属していたこともあり、昔から読み聞かせが好きだった。「今でもうまくできないことが多いけど、それがやりがい」と家に帰っても練習をしている。「夫の発音やテレビキャスターの読み方にも敏感になる」ほど。また、テーマの企画や取材、録音、編集までを行う『テープ雑誌』も作る。地域の店の情報など、実際に歩きながら町の様子を吹き込む「声の地図」は、階段の段数や横断歩道の音楽や遮断機の音など細かい表現に気を使い、工夫を凝らす。
○…出身は長崎県。23歳で結婚してすぐ、夫の仕事で香港、シンガポール、ロンドンと渡った。幼少期から親の転勤が多かったこともあり「どのまちも住めば都」と海外生活に抵抗はなかった。子どもが熱が出たときは、辞書で単語を書き並べて病院へ。「日本語が分かる病院もあるし、何かあってもどうにかなる。海外でもどっぷり日本人だった」。ロンドンで飼い始めた愛犬は現在16歳になり、市から長寿犬として表彰されたそう。「犬がかすがい」と愛犬2匹が家庭の中心となっている。
○…「声を出すと元気になる」とコーラスサークルの活動も。録音ボランティアは「居心地が良いから、嫌がられてもいたい」。夫も「好きなことを楽しめているから、それでいい」と後押し。今後の活動を「小さな文字を読むのが大変な高齢者にも、是非利用してほしい」とメンバー全員で期待する。
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