東地区文化センターの不登校講座に協力する「座間の不登校を語る会」会長 阿部 敏明さん 相模が丘在住 63歳
みんなの聞き役
○…いじめや家庭問題、学力の遅れなど、不登校になる理由はさまざま。思いもよらない出来事がつまずきになることも多いという。学校にいけなくなった子どもたちに勉強を教え、保護者と語り合う「不登校を語る会」で、最も寡黙ながら会長を務める。このほど東地区文化センターで開講される不登校講座に協力する同会。「不登校を恐れなくていい。明日からの自分を見つけられるような環境を増やしたい」と、10年以上に渡って積んできた経験を生かす。
○…近隣との交流が少なく老後の不安から、最初は単なる思い付きで始めたボランティアだった。自宅からほど近い北地区文化センターで、不登校児が集まる学習支援”フリースペース”に参加。週2回、2、3人の子どもを相手に、地域の人や大学生、時に現役の学校教師とも一緒になって勉強を教えた。受験シーズンには面接と作文対策。「ただ送り出すのではなく自信をつけさせてから」。いつからか自分のためでなくなった。今年で7年目を迎え、関わった子は100人に上る。成長見たさに体育祭や地域解放の授業参観に必ず顔を出し、一人ひとりへ季節ごとに便りを送る。
○…博多生まれ。上京して、大学を卒業した後は10年間旅行業に従事し、その後、大学や専門学校の広報に転職。現在も7時半始業の毎日を送る。34歳で結婚し1人息子を授かった。阪神大震災の翌年に神戸へ単身赴任。仮設住宅暮らしの子どもを見かけては勉強を教えたという。学習指導が高じてか大の歴史好き。読書にとどまらず、13年間参加している小田原の大名行列では、武将仮装のとりこ。
○…多忙な中でのフリースペースも「家族あっての活動」。妻や息子と談話する時間が何より至福のひととき。誰が相手でも始終聞き役ですべて吐き出させるのが鉄則だとか。「悩みすぎず明るく陽気に。ひとつ誇れるものがある、たくましい子が増えるように」
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