新成人代表として成人の誓いを行う 菱沼阿連(あれん)さん ひばりが丘在住 20歳
「らしさ」を忘れぬ誓いに
○…座間市の新成人1347人を代表し、壇上に上がる。何を言うべきか、どんな言葉で伝えるべきか。少し悩んだが「自分たちの世代にしかできない誓いを」と、思い切って例年のものとは一味違った誓いに仕上げた。「ゆとり世代」と呼ばれながら不況の中で育ち、少子高齢化などの問題を抱えた社会の行く先も不透明。「だからこそ、自分たちは明るく行こう」と鼓舞する気持ちを込めた。
○…フィリピン人の母と日本人の父のもとに生まれた。アメリカ人のもとに嫁いだ姉も含め、一家が集まると3カ国語が入り乱れる国際派一家だ。個を尊重する家庭で、記憶する限り「勉強しなさい」と言われたことは一度もない。「その分、自分で考えて行動する癖がついて。信頼して自由に育ててくれた親には、とても感謝しています」。中学の時には生徒会長を務め、全校生徒の前でスピーチする機会に多く恵まれた。当時の物怖じせずにしっかりとこなす姿勢が教員たちの記憶に残り、5年越しで白羽の矢がたった。
○…東中学校在学中は、吹奏楽に没頭。副部長として部をけん引し、東関東大会出場を夢見て汗を流した。結果は、わずかに及ばず。点数では差がつかず、審査にもつれ込んでの敗退だった。「当時はものすごく悔しくて。でも、今となってはいい思い出です」。音楽は今でも好きで、クラシックやR&Bなどをピアノで弾いては楽しんでいる。
○…「安定志向」の同級生たちが就職活動に目を向ける中、現在の照準は米カリフォルニア州。今年から1年間、州立大に留学する予定だ。「何か、世の中や生活を一変させるような、そんな仕事に携わりたい」――。そんなロマンと野望を秘めての決断だ。「学生の今だから学べることを、精一杯学びたい。単に、レールから外れたいだけかもしれないですけれど」。終始落ち着いた語り口調だが、はにかむ表情にはわずかにあどけなさが残る。
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