2020年東京五輪・パラリンピックまで3年を切り、八王子市が海外選手団の事前キャンプ地誘致に本腰を入れ始めた。7月には担当部署を新設。市は中央区に設置される予定の選手村への近さや、市内大学のスポーツ施設を活用できる点などを「武器」に各国へのアプローチを進めている。
一つの国に長期滞在してもらう――。これが市の狙いだ。複数国、多種目より、一つの国の様々な競技の選手たちに滞在してもらう方が、市民の応援が集中し、街の活性化や八王子のスポーツ振興によりつながると、市は考えている。「既に複数国が視察にお見えになっています」と7月に、海外スポーツ選手団誘致の強化などを目的に新設された市の国際スポーツ大会推進室の宮木高一さんは話す。現在は、八王子の強みをキャンプガイドとしてまとめ、五輪の大会組織委員会や東京都などのHPに掲載し、各国へのアプローチを図っているところだ。
強みとなるのが設備面。狭間町の八王子市総合体育館や上柚木公園陸上競技場(上柚木)、八王子市街地から車で約20分の法政大学・屋内プールなどをガイドに掲載した。「これだけ充実した施設が整っている地域は他にあまりないのでは」と、宮木さんは自信をみせる。
また、大会会場と「変わらない」気候や「中央道など高速道路が2路乗り入れていて、選手村へ1時間程度で向かうことができる点も大きなアピールポイントになると思います」と宮木さん。今後は、引き合いのあった国の様々な要望にいかに応えていくかが、誘致成功の鍵を握ると考えている。
受け入れ体制は?
一方、市内の受け入れ体制はどうなのだろうか。
外国人支援などを行っている八王子国際協会の古川豊光さんは「200人を超える通訳ボランティアの方に登録頂いており、英語や中国語など10カ国以上の言語に対応できます」と、滞在国が決定した際は、ボランティアスタッフを派遣するなど、市に協力していく方針だという。5月には、海外から100人以上の選手、コーチが来日したボルダリングの世界大会で約30人の通訳ボランティアを派遣し、大会成功へ協力した実績がある。
旭町・京王プラザホテル八王子の担当者は「日頃から多くの海外ゲストを受け入れており、そのノウハウを活用し、できる限り協力していきたい」と話す。
宮木さんは「今回のキャンプ地誘致を成功させ、八王子をスポーツの国際的大会が開催できる街として定着させたい。それが地域の活性化につながると思う」と話している。
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