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八王子 社会

公開日:2021.08.19

寄稿
「心の通い」 音楽に
市内在住ギタリスト・田川ヒロアキさん

  • ギターを弾く田川さん©SHIGEYUKI USHIZAWA

全盲 ライブ活動



 私は全盲のロックギタリストで、ライブ、学校、地域での演奏、医療機関での講演、CMやイメージソングの作曲等を行なっております。



 この度の「共生」をテーマに、日常を振り返り、4つの事柄を元に考えてみました。



【1】家族友人知人



妻や周囲は「助けなきゃ」ではなく自然に接してくれています。



【2】声かけ



単独の外出時、困っていると、手を貸して下さる方に救われます。



【3】開発



白杖、点字ブロック、駅や信号機等の盲導鈴、PCやスマートフォンの画面を読む合成音声アプリ等を使用しています。



【4】福祉制度



公共機関等の様々な制度も大変助けとなり、特に八王子市は福祉に優しいと感じます。



 こうしたお陰で日常を過ごす事が出来ています。



 しかし、昔は、音楽よりも、「障害を乗り越えた人」「見えないにもかかわらず」と呼称される事が多く、「障害にも負けずに頑張っているのではなく、これが日常なのに!」と世間が持つ障害のイメージとの相違に悩んだ時期がありました。



不便な事は



 とはいえ、見えないのは事実で、特に単独時に不便な事も多々あります。



・人の表情やしぐさ、景色や部屋の様子、物の配置の把握



・ATM等のタッチパネル



・道を尋ねた時、「あっちです」と教えられても見えない事



・ネット閲覧時、画像解説がなくて把握できないページ等



 こうした不便を補ってもらえる事で「視覚障害者」ではなく、いち「私」として周囲の人達と毎日自分らしく楽しく過ごせています。



 見えないからこそ、困っている事やしてもらいたい表明をする事で手をお借り出来たり、開発や制度が出来たり、これが「心の通い」になると感じています。



 私はその気持ちを音楽でお返しして、縁あってこの記事を読んで下さっている方も含め、皆さんと時間を共に出来る人でありたいです。音楽を通じて、人と社会と心が繋がれるように。

 

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