八王子市八日町にある就労継続支援B型作業所「ファーストステップ」の初の絵画展が5月6日(金)から15日(日)までJR八王子駅セレオ北館で開催される。
「核を表現」
出展者のひとり、幡野美穂さん(31)はF6サイズのアクリル画を展示する。「作品は自分の核を表現した」という。キャンバスにはぬいぐるみを抱き、ほほ笑む自分自身が描かれている。花冠に使われるガーベラ、カスミソウ、バラ、ダリアの花言葉は「感謝」。ぬいぐるみは、支援機関の職員や家族、友人を表し、優しく抱きしめることで感謝の気持ちを表現した。幡野さんは「辛く、苦しい気持ちを乗り越えたことに、笑ってありがとうと伝えたい」と作品に込めた思いを話す。
10作品同時並行
空想生物創造作家として活動する鈴木皓平さん(28)は、頭の中に浮かぶ空想の世界を鮮やかな色彩で表している。
舞台は架空の植物工場都市、屋根についたプロペラが動力となり、LEDライトで野菜や果物を栽培している。その脇でナマケモノがほかの動物たちとスープや豆乳チーズを食べているところ―。その世界観が詳細に描きこまれる。「図鑑や科学の本を見てアイディアが浮かぶ」という鈴木さん。「集中力はあるけど、気が散りやすいから」と、10作品ほど同時並行で描いていく。そのため作品を仕上げるのに半年から1年かかこともあるという。
影響を受けたのは、小学校4年生の時にテレビ番組で見た、サイエンスライターのドゥーガル・ディクソン氏。同氏の描く未来の生物を見て「この発想力は自分も持っているかも」と空想生物創造作家として描き始めた。現在は個展を開き、固定ファンもついている。作品展では、自信作を出展する予定だ。
今回の作品展では、同所の利用者10人ほどの作品を出展する予定だという。同所を運営するNPO法人しあわせのたねの職員は「『ゆったりした居場所として利用してもらいたい』という理事長の方針から、自然と絵を描く人が集まってきた」と話す。利用者のひとりは「自由に描きたいように描かせてくれるところがいい」という。
同職員は絵画展の開催について「色が浮かび上がる、線が見える、頭の中に浮かんだことを絵に描いている。そんな彼らの作品を色んな人に見せたいと思った」と語った。
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