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八王子版 公開:2023年11月30日 エリアトップへ

八王子のあの人にきく 「手伝う」感謝、でも… 八障連の杉浦代表

社会

公開:2023年11月30日

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電動車いすに乗る杉浦代表。依頼を受け、10月は2回ほど講話をしに小・中学校へ訪問した
電動車いすに乗る杉浦代表。依頼を受け、10月は2回ほど講話をしに小・中学校へ訪問した

 多摩地域で初となる「はちおうじユニバーサル駅伝大会」が10月末、富士森陸上競技場(台町)で開催された。障害の有無や年齢、性別関係なく当日集まったメンバーでチームを組み、全員完走を目指した同大会。主催の実行委員会は開催前、集まったボランティアサポーターに講習を実施。車いす利用者や障害のある人への接し方についてレクチャーした。講師として登壇した八王子障害者団体連絡協議会(通称:八障連)の代表・杉浦貢さん(49)に話を聞く。

 「動機はなんでもいい。『いいことをしていい気分になりたい』でも構わない。でも手伝う先には必ず相手がいる。それを忘れないで」――。

 杉浦代表はそう切り出す。講習会でサポーターに話したのは、車いすや障害という『属性フィルター』を通してその人を見るのではなく、「知り合った人がたまたま車いすだった」と考え、同じ人間として対等に接することだ。

 身近な例では、街中で車いすユーザーを見かけた際、「何かに困っているはず」という先入観を持たないこと。特に、いきなり車いすを押すなどの行為は、操作に慣れていないと転倒などの危険も伴うため止めてほしいという。車いすはユーザーにとって「体の一部そのもの」。利用者が驚くだけではなく、「この体じゃ抵抗できない。だから余計に怖い」と杉浦さんは吐露する。

 杉浦さん自身も、かつて、街中で中年の女性に突然持ち手を押され、びっくりして声が出たことがあった。その反応に女性も驚き、「せっかく手伝おうと思ったのに」と落胆されたという。「せめて最初に声をかけてほしかった。女性の思いと、受け手である自分の気持ちがマッチしなかった」とすれ違いに肩を落とす。健常者同士でも、双方の状況によって需要と供給が合致しないことは多々あるもの。それと同じで、「たまたま成立しなかったからといって『二度と手伝うものか』とならないでほしい」と話す。

 杉浦さんは、2015年から八障連の代表に就いている。八障連は、市内にあるさまざまな障害者団体同士が横のつながりをもつことなどを目的に1986年に設立。障害者団体や福祉サービス事業所など計約60団体で構成されている。市などが公共施設をデザインする際、車いす利用者の当事者として意見を求められることもしばしばだ。

 先天性の脳性まひで、6歳から車いすユーザーである杉浦さん。23歳から八王子市内で一人暮らしをしている。「人口が多く、それだけ障害や福祉への理解が進んでいる」と感じるという。支援施設や団体も多く、仲間うちでも「自立して一人暮らしを始めるなら八王子がいいのでは」と勧められたという。

他人事にしないで 

 杉浦さんは20年ほど前から、個人的な活動として地域の小・中学校を訪問し、当事者として講話を行っている。「小学生のうちから、世の中にはいろんな人がいることを知ってほしい。『他人事』にしないで」と呼びかける。

 ある生徒は感想文で、「大好きなスポーツができなくなるのは嫌なので、事故に気をつけようと思った」と書いてきたという。「気をつけることはいいことだが、それでも明日、事故や病気で障害が残る可能性は誰もがある。今までと同じような運動はできなくなるかもしれない。でも、たくさんの人が君を助けてくれるし、きっと別の打ち込めることが出てくると思うんだよね」と持論を語った。

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