くじ引きで席を割り当てられた参加者は、それぞれのテーブルで会話に花を咲かせている。職種はデザイナー、福祉、医療、飲食など20社36人。初めて会った者同士がすぐに打ち解けあう。話題の中心は仕事を離れた日常のこと。それがストレス軽減にもつながっているようだ。「何も特別なお膳立てしなくても、自然と会話が弾むんです」と共同代表の高井さん。
この試みは「八王子では経営者同士の交流は盛んだが、必ずしも街の活性化に繋がっていないのはなぜか?」という疑問がスタート地点だったという。
同じく共同代表の深沢さんは「八王子は街を愛している経営者が多く、交流も盛ん。しかし、社員=消費者にもその思いが伝わっているのかどうか。もっと社員同士でも繋がり、顔見知りが増えていくことが大切」と話す。職場によっては同世代が少ないケースもある。この場所では、同じ環境の同僚とばかり過ごす中では感じられない繋がりがあるようだ。
「社員同士の繋がりが足りていないというのが共通の認識。この試みがどんな効果を生み出すのかまだ分からない。しかし、やる意味は間違いなく感じている」。盛り上がる会場を眺めながら高井さんは確信を強める。