台町にある八王子交通事業株式会社の営業所に今夏、ひとりの少女の姿があった。夏休みの自由研究のために訪れた広岡風花さん(館小中学校5年)だ。父親の壮一さん(45)が同営業所のタクシードライバーということもあり、タクシーを研究テーマに選んだという風花さん。営業所では、ドライバーに指示を出す配車室の中の様子を見学したり、実際に車に乗ってハンドルを握ってみるなどした。「乗務員さんに、タクシーの乗り方や、バスや電車との違いについてなどの質問をしました。みんな優しく答えてくれてうれしかった」と笑顔を見せる風花さん。運転席にある様々な「機械」の多さに驚いたという。出来上がったレポートはB3サイズ3枚に収められ、通う学校に張り出されたという。「お父さんがいつもこんなに難しい機械を使っていることを知り驚いた。将来はタクシーの運転手になりたい」。風花さんのその言葉を聞いた壮一さんは「照れくさいけどうれしいね。もうちょっと大きな夢でもいいかなと思うけど」と目を細めていた。