終活について、「お寺」はどう考えているのか。片倉町・慈眼寺(じげんじ)(曹洞宗)の田辺住職=右写真=と、その妻で同寺が管理する樹木葬墓地の代表を務める静香さん=下=に聞いた。
――どのようにお考えですか?
田辺住職「終活といっても、お墓をどうするのか、どのように年を重ねていくのかなど、人それぞれ捉え方は異なると思います。葬儀に関して言えば、自分がどのような葬儀をあげたいのか、その時、どなたを呼びたいか、と考えることから始めるのが良いと思います」
――なぜですか?
静香さん「故人の望む葬儀をあげることができれば、あとに残る人たちの心が安らぐと考えるためです。それは遺族の気持ちの区切りにもつながります」
「その実現のためには、日頃から家族内で葬儀について話し合うことが大切ですね。葬儀のことを話すのは縁起が悪いからといった理由でタブー視する傾向にありますが、常日頃から世間話のように子どもたちと話し合ってもらえればと思います」
――そうは言ってもなかなか実行するのは難しそうですが?
田辺住職「そう堅苦しく考える必要はないですよ。葬儀に関することは、できれば子どもの方から言ってもらいたい、とは思いますが。『いざという時』は突然やってきます。すぐにでも、親子で話し合って頂ければと思います」
――慈眼寺さんは昨年、樹木葬墓地を開いたそうですね?
静香さん「『跡取りがいないが、無縁仏になるのは避けたい』という声を多く頂き、そういった方々の手助けになれるのなら、という思いでつくりました」
「お申込み頂くことが決まると、将来、自分のお墓が無いのではという不安から解放された安心感からか、涙する方もいらっしゃいました。そんな姿を拝見すると、この墓地を開いて良かったな、と心から思います」