5月、131の八王子市内寺院が加盟する「八王子市仏教会」の理事長に就いた。会が主催するイベントなどをまとめ、「131」の統制を図る役割を担う。
「当会ぐらい、他宗派間の交流が盛んなところはあまりないと思う。青年部まであるからね」と会の団結の強さを誇りにもつと同時に、関係性を築けているのは先輩たちのおかげ、と感謝の言葉を口にする。
「だから、私はこれまでの”流れ”に沿って役割を果たしていくだけですよ」。謙虚な言葉の裏に、強い責任感を滲ませる。
地域のために
千人町にある曹洞宗の寺を継いで35年。「お寺は地域のためにある」とし、寺を開いて住民らの悩み相談を受けてきた。愚痴の聞き役から、悩みについて助言するアドバイザーとしての役割まで。「様々な方にお会いするのは本当に楽しい。多くの学びがあり、自分の成長にもつながっています」
一方で、寺は、街の歴史が詰まった「宝庫」とも。八王子の歴史を語り継いでいくのは、寺を預かる身の仕事だとし、子どもから大人まで「より多くの方にお話ししていく機会をもちたいと考えています」
そして、会も「地域のためにある」ということは変わらない、とする。災害時に避難場所としての役割を担うなど、市内の寺がより「地域住民の場」として活用されることを願っている。
「出会い」に感謝
63歳。自身を高めていきたい、という思いが強い。「毎日が勉強」と話し、多くの「出会い」が自身を高めてくれると考えている。「様々な人と出会うことができる住職という仕事に恵まれたことに感謝の気持ちをもっています」
毎朝、近くの河川敷周辺を走り、それぞれの季節に「現れる」景色を楽しむことが日課。「そこで出会った人たちとの交流も生まれているんです」。”人好き”な新理事長の任期は2年。「無事に次の代へつないでいければ」――。
謙虚に、そして出会いを大切に、「131」を率いていくつもりだ。