(株)まごころ清掃社(長房町)は先ごろ、9月1日の防災の日に先立って高野正道社長をトップとする「災害対応プロジェクト」を立ち上げた。災害時でも収集業務を可能にする仕組みの構築を目指している。同社は市の家庭ごみ収集の委託も受けている一般・産業廃棄物を取り扱う。
ゴミが溢れかえる
「災害時にはもちろん人命救助などが最優先。次いで電気・ガス・水道も含めてライフラインの復旧ですが、こちらは行政の仕事ではなく民間が担う場合が多く、優遇措置があることは少ない」とプロジェクトを担当する同社顧問の佐藤小育夫さんは話す。自社でできる対策をと考えたきっかけは「収集ができなければ町にゴミが溢れるし、火事のリスクも高まる」という危機意識。市では家庭から出る可燃ごみはほぼすべて民間に委託しており、収集が停止すれば同社の懸念通りになる恐れもある。
「緊急時の社員の安否確認と人材確保はもちろん、停電時でも処理施設を稼働させるためには発電機も必要です。大量の燃料の備蓄もしなければなりません」と課題をあげ、会社としてそれらに対応策を講じていく考えだ。
災害時にお風呂を
「鉄パイプとブルーシートを組み合わせることで簡易的な風呂ができます」。災害時にボイラーで風呂を沸かし、近隣住民に提供できるようにしたいという。また、非常食の備蓄場所の提供も想定している。
佐藤さんは「同業者にも協力を募り、八王子全体にこの動きを広げていければ」と話した。