神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
八王子版 公開:2022年1月1日 エリアトップへ

(PR)

取材レポート 未来への初夢 RCと高専が進める挑戦 八王子をデジタル教育先進モデル都市に

公開:2022年1月1日

  • X
  • LINE
  • hatena
※いずれも昨年11月14日、東京高専を会場に行われたプロコン本選時の様子=同実行委員会提供
※いずれも昨年11月14日、東京高専を会場に行われたプロコン本選時の様子=同実行委員会提供

 奉仕団体「東京八王子ロータリークラブ」(小星重治会長・内田栄幹事)と椚田町にある東京工業高等専門学校(谷合俊一学長)が新たな事業の確立に挑戦している。昨年両者で実行委員会を組織し、関東初のU―16プログラミングコンテストの開催を実現。これを機に「八王子市をデジタル教育先進モデル都市にできないか」と長期的な展望の検討が開始されている。その背景や狙いを取材した。

教育支援のクラブ

 ロータリークラブ(RC)は職業を通じて世界的な国際平和とポリオの撲滅及び、地域社会発展への貢献を目的に活動する国際規模の奉仕団体。そのひとつである東京八王子RCは、市内小学校への理科教材の支援、高等学校での社会貢献や寄付の精神を学ぶ教育支援などの活動を主体に奉仕活動を進めて来た。その中で今年度から新たな取り組みとして始めたのが、先進国の中で「大きく遅れてしまった」デジタル社会を取り戻す、小中学校でのデジタル教育整備事業だ。

 「幸い八王子には、全国のプログラミングコンテストで常に優勝するトップクラスの学生を育てている教員陣と優秀な学生がいる東京高専があります。それが今回市内で開催できた大きなポイントです」。昨年11月、八王子RCがメインスポンサーとなって関東で初の第1回U―16プログラミングコンテストが開催できたことについて同クラブ小星重治会長はそう話す。当日は萩生田光一経済産業大臣や市議会文教委員会ならびに教育委員会らも参加するなど、関心の高さが伺えた。

 今回のプロコンは初めての実施にも関わらず市内の小学校から多数の応募があった。本選では、30人(1団体)の児童が何カ月も掛けた自作のソフトについて説明と実演をしながらプレゼンテーション。審査委員会が審査の結果、優秀者を表彰した。参加した児童は「他人の作品を見てとても刺激になった」「大きな発表の場がありとても励みになって良かった。次もがんばりたい」と話し、それぞれ盛り上っていたようだ。

児童サポートに注力

 この事業の中で特に注目すべき点は応募した児童に対するサポートだ。

 実行委員会では本選に向けた8、9、10月の期間、東京高専の学生が講師となり予選通過児童に対してプログラミング講習会を開催した他、本選まで週に1回オンラインサポートをした。

 受け入れた学校側からは「教員の指導者のスキルに課題がある中、専門的な指導が受けられたことが一番大きかった」と話す。クラブ関係者は「自分でソフトが創れる喜びを与える専門指導が重要で、コンテストは子どもたちの目標なだけ。RCは将来この国を救うようなデジタル事業家が生まれ地域発展になればと、学生さんの技術指導を始め、すべての費用をスポンサード出来ました」と話した。ある学校校長は、今回の学生派遣をきっかけに、東京高専とつながりが作れたことを喜んでいた。

会員の熱意で実現

 ではなぜ今回そのようなデジタル教育支援事業が実現できたのか?

 八王子RCは以前から教育支援奉仕事業に力を入れており毎年度様々な取り組みをしている。その中で今回(今年度)それに加え急遽、プログラミング教育事業が新たな支援として持ち上がった。「予算上無理もあったが、クラブの会員の教育支援奉仕事業への熱意が高く、前年度神戸涼次会長が進めた会員からの特別寄付も集まり、すべての費用が用意できました」と小星会長は話す。その上で「『理解ある』クラブ会員の熱意に感謝しつつ、今後は中学も加わるのでもっと多くの子どもたちの応募があるはず。継続的にかつ全国の見本になるような大きな事業にするためには八王子全体の有志企業に参加を戴く事も必要になるでしょう」と訴える。

 これからのビジネスは「AIデジタル革命」「DX時代」と言われて久しい。そのような時代の変革点の中で今回、「八王子をデジタル教育先進モデル都市にできないか」という東京高専の教員陣と「地域の小中学校の教育支援で地域活性化を」と考える八王子RCとの思いが一致し新しい流れが始まった。両者とも日本のデジタル教育に危機意識を持つ。

 プロコンを継続する事業に発展できるかがこれからの挑戦でもある。「いずれGAFAのような世界的なデジタルサービス企業が八王子からも生まれる。そんな期待を描けるようしたい」(関係者)。第2回大会は中学生の部が加わり今秋開催だ。

いずれ全国レベルへ

 「今後、U―16プロコンの継続開催で、市内全小中学校の校長先生方の関心が高まり応募児童生徒が増え、その環境が拡大すれば、その支援費用は非常に大きくなります。RCだけでなく、八王子市内の有志企業全体で支え盛り上げて戴ければ、全国から優秀な作品も集まる大きな大会になり、結果的には地元企業にその恩恵が還ってくるはず」とこの大会の総指揮を執った東京高専の松林勝志教授は語った。

小宮小「最多」に指導員の存在

 第1回U―16プログラミングコンテスト八王子大会に出場した児童(30人)が在籍する小学校の中から、2校の取り組みを紹介する。

―・―・―・―・―・―

 今回のプロコンで最多となる6人の児童が参加した小宮小学校(小宮町)。その「本気度」の背景にはある指導者の存在があった。

 学校近隣に住む高橋正樹さん=写真=はおよそ8年前からボランティアでパソコンの指導をしている。電気メーカーのエンジニアを定年したのち、たまたま見つけた学校前の募集の貼り紙を見て、指導員に応募した。以来、定期的に学校を訪れ学習のサポートをしている。プログラミング教育について市内の学校では高学年から取り組むところがほとんどだが同校は1年生から。低学年のうちはまだ「ローマ字入力を覚えさせる」程度だが、高橋さんはそのための練習ソフトの開発も行なったりする。「(海外と仕事をするメーカーにいたので)パソコンやプログラムの重要性はよくわかっています。それらが社会を変えていると思います」と話す。

横山第一小有意義な一歩

 館町の横山第一小学校は唯一の「団体」としてプロコンに参加した。参加したのはパソコンクラブの児童4人。団体での理由について緒方礼子校長は「一人では自信がない児童もいた。ただ、プログラミング推進にむけた方向性を見出すため、そのきっかけづくりになればと思いました」と話す。結果、本選では他校の取り組みを知ることができ、児童は特に刺激を受けたと感じている。「子どもたちの意欲付けとして小さな一歩だが大変有意義でした。今後は学校全体に広げていきたい」と展望を話す。

パソコンクラブの様子
パソコンクラブの様子

東京八王子ロータリークラブ

https://hachioji-rc.org/

八王子版のピックアップ(PR)最新6

トーマスと遊ぼう

東京たま未来メッセ

トーマスと遊ぼう

5月1日から6日間

4月25日

心温まるサービスを

心温まるサービスを

遺品整理は専門職へ

4月25日

非常用トイレ備えて安心

自宅便座に簡単設置

非常用トイレ備えて安心

マンションで逆流トラブル

4月25日

廃車ちょっと待って

廃車ちょっと待って

今だけ5万円以上で買取

4月18日

貴金属は散田へ

貴金属は散田へ

金が高騰 史上最大のチャンス到来

4月18日

庭木のお手入れお任せを

庭木のお手入れお任せを

元八王子町の植木屋「ハローガーデン」

4月18日

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 12月14日0:00更新

  • 11月23日0:00更新

八王子版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月30日号

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook