市立中山中学校(中山)3年の加藤翔平さんが、7月26日から29日に愛知県で行われたサーフィンの大会「夢屋サーフィンゲームス田原オープン」でプロ資格を取得した。8月30日に、石森孝志市長を表敬訪問した。
一瞬のチャンスをものに
大会ではプロトライアルが同時開催されており、加藤さんは規定の12ポイントを獲得して(一社)日本プロサーフィン連盟の公認プロ資格を取得した。プロへの挑戦は今大会が初めて。大会では64人が挑戦し、合格したのは4人だった。「プロは難しいと思っていたので、それが一発でとれたのは嬉しい」と加藤さん。
サーフィンではプロは大会への参加資格とされ、ショートボード・男子のプロは9月1日現在、170人いる。
加藤さんはサーフィンの魅力を「同じ波は1度しか来ない。毎回違う波を乗るのがおもしろい」と話す。トライアル当日の様子を母親の芙美子(ふみこ)さんは「全体的に波が小さかったので、大きい波を見つけるのが難しい状態。あるタイミングで遠くに大きな波が発生するのを見つけて走って乗りに行った」と話す。競技時間は15分ほど。一瞬の勝機をつかめたのは、競技時間以外にもずっと海を見て、どこに波が出るかを観察していたからと分析する。同じポイントで波に乗ろうとする選手もいたが、チャンスをつかめたのは加藤さん1人だったという。加藤さん一家は、中学生でのプロ資格取得を「初ではないが数人だけ。4人目くらい」とし、加藤さんは「来年1月から始まるプロとしての活動をがんばりたい」と決意を語った。
9歳からスタート
両親の影響を受け、加藤さんは9歳からサーフィンを始めた。2つ上の兄と2歳下の弟がおり、全員がサーフィンをしている。土日は部屋を借りている千葉の海岸で練習をする。「加藤3兄弟」としてSNSでも発信しており、子どもたちが大会で好成績を重ねる姿は、サーフィンを趣味とする人たちも注目している。「3人とも個性があるが、翔平が一番負けず嫌い」と芙美子さん。一昨年は全日本サーフィン選手権大会キッズクラスで優勝するなど実績を上げていた。冬場はあったかホール(北野町)のプールで体力づくりに励んだ。今回のプロ資格取得は、その成果もあった。父の浩士朗(こうしろう)さんは「サーフィンは体幹と下半身の強靭さが大切。それが伸ばせたと思う」と話す。
サーフィンは2020年の五輪追加種目。加藤さんは、(一社)日本サーフィン連盟の日本代表を選出するための強化指定選手の1人にも選ばれているので出場の可能性があるが「その基準はもちろん、そもそも何人出られるのかも決まっていない」という。
プロの大会は平日が含まれることも多く、学業との両立は困難。進路については考え中だそう。
将来はノースショア(ハワイ)のパイプラインで競技をすることが夢だという。世界最高峰でトップ34人しか出られない大会の中の1ステージ。夢の大舞台に向けて、まずは一歩を踏み出した。
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